小田部　Aは本線の予想です。Bは「もしかすると展開次第ではこうなるかも」というパターンを想像して印を打っています。競馬はゲートが開いてみないと分からない部分があって、出遅れることもあれば、前の馬が蹴り上げた砂を被って馬に嫌気が差すとかいろいろあります。天気予報も見ながら、1レースずつ想像しています。

2パターンの予想を行っている　©Takuya Sugiyama

――本格的に予想をはじめて、「佐賀競馬のここが面白い！」と感じるポイントは？

小田部　いま若手騎手が多くて、「えっ、この馬が勝つんだ」というレースもあって面白いですね。私が現役の頃は、佐賀で新人騎手はレースにあまり乗れないイメージでしたけど、史上最速で通算100勝を達成した飛田愛斗騎手をはじめ、若手騎手が軽い斤量を生かして活躍しています。中津では2コーナーから追うと、レースを乱すと怒られたこともありましたけど、佐賀は仕掛けが早いので逃げ・先行馬があまり残らず、差し馬が結構届く印象です。

先行馬有利という展開が多い地方競馬だが、佐賀では騎手の仕掛けも早く、レースの最初から見逃せない展開になることも　©Takuya Sugiyama

いまの女性騎手をどう見ている？

――全国的に見ると、女性騎手の活躍も目立ちます。いまの女性騎手をどう見ていますか？

小田部　いい時代になってきたなと思います。藤田菜七子騎手が注目されて、JRAでも地方競馬でも女性騎手の数が増えてきています。昔、レディースジョッキーズシリーズという全国各地の競馬場で女性騎手だけでレースを行うシリーズがありましたけど、今後そういうことが定着していけば競馬界も盛り上がるんじゃないかなと思います。

――最近では地方競馬の女性騎手が集まると「どの日焼け止めがいい？」とか「まつエク何本つけている？」など、細かい情報交換もしていますが、小田部さんの現役当時は他の女性騎手との交流はどうだったんでしょうか？

小田部　他の競馬場に女性騎手はいましたけど、連絡するには家に電話するか手紙くらいしか手段がなかったですね。一昨年、佐賀で後輩の宮下瞳騎手（名古屋競馬所属）に会った時、「なんで化粧してるん？」とビックリしました。私が現役の頃は、日焼けをしたくなくても滝のように汗をかくので日焼け止めも化粧も意味がなくて、ほとんどすっぴんでした。あの頃は化粧して乗っている人の方が少なかったはずなのに、いまはみんなしていて、時代は変わったなあと感じました。

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