ジュリアが目指す「世直し」とは

　レスラーになる前は、ヘアメイクの学校に行きながらキャバクラで働いていた。生きていくこと自体が厳しい。そんな中で救いになったのが誰にも遠慮せず、媚びもせずに暴れ回るプロレスラーの姿だった。

「プロレスはその人の生き様が見えてくる。性格も考え方もそれぞれで、試合や言動から伝わってくる」

　命を削って闘うことで“生きる”エネルギーを伝えることもできる。プロレスは見る者の人生に影響すると実体験で知っているし、プロレスを見る人間が増えれば世の中はもっと生きやすくなる。「世直し」とはそういうことだ。

「私のやり方で、私にしかできないことがあると思ってます。今それができてるかは分からない。考えながらやるしかないんですけど、必ずやってみせます」

　具体的なキャリアとしても、プロレス観という面でも、ジュリアは常に前進してきた。今は分からないことでも、世間と向き合いプロレスについて考え続けることで、いつか分かるようになるだろう。その時にまた、じっくり話を聞いてみたい。

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