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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「盛大な姉妹喧嘩」に因縁のライバル戦…スターダム・リーグ戦優勝のジュリアが語った決意「私が赤のチャンピオンになる」《特別グラビア》
posted2022/10/25 17:28
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Shigeki Yamamoto
26選手出場、開催期間丸2カ月という大規模なリーグ戦「5★STAR GP」を制したのはジュリアだった。スターダムに参戦して3年。シンデレラ・トーナメント優勝、“白いベルト”ワンダー・オブ・スターダム獲得に続いてのシングルでの勲章となる。ジュリアにとって、2年分の重みを持つ優勝だった。
昨年の5★STARは4試合を残して途中棄権となった。首の負傷でドクターストップがかかったのだ。
「病院で号泣しましたね。“絶対(試合に)出る!”って。でもこのまま闘い続けたら半身不随になる危険もあると言われて」
年末に復帰を果たしたが、どうしても「ジュリアは首に“爆弾”を抱えている」というイメージがつきまとった。本人としては充分にケアをしているし、問題なく試合ができている。それでも試合に負けると「やっぱり首が……」という声が出てくる。
「首が悪くて負けたわけでもないのに、そう言われちゃうので(苦笑)。今年の5★STARは去年の悔しさを晴らすというだけじゃなくて“ジュリアはめちゃくちゃ元気だぞ”ということを証明するためにも重要なものでした」
「私のドS心に火をつけてくる存在」
初戦は葉月にフォール負け。だがそれにも意味はあった。試合後、ジュリアは「モヤモヤが晴れた」とコメントしている。
葉月とは2019年12月、ジュリアのスターダム移籍第1戦で闘っている。当時の葉月は人間関係がもとで引退を表明、ラストマッチの直前だった。“やめていく葉月がジュリアの踏み台にされる”、そんなイメージもあった。昨年、葉月が復帰して、大舞台でシングルでの再戦。結果は結果として、気持ちよくやり合うことができた。ジュリアも葉月もそう感じていた。
リーグ戦の闘いに勢いがついてきたのは、8月27日の公式戦5試合目、スターライト・キッドとの顔合わせだった。この試合、ジュリアはリングイン直前のキッドを襲撃し、マスクを引き裂いた。
「キッドは私のドS心に火をつけてくる存在なんですよ」
セコンド同士も乱闘を展開する荒れた試合となったが、最後はジュリアが丸め込み技「雁之助クラッチ」で3カウント奪取。“ケンカ”にのめり込みすぎなかったというところか。キッドのことを、ジュリアはこう評している。
「(所属ユニットが)STARSから大江戸隊に変わって、マスクやコスチュームを黒くして“闇堕ち”したキッドですけど、私から見るとSTARS時代だってそこまで“いい子”ではなかったと思いますよ。黒い部分もありましたし、そこが魅力でもあって。
今のキッドはヤンチャというか生意気盛りというか。私もそういう時期があったから分かるんですけど、いろんな意味で若いですよね。たぶん、あと何年かしたら大人になってもっと深みが出るんじゃないかな、試合にも言葉にも」