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原監督ニンマリ「超攻撃型打線の未来図」を描ける浅野翔吾の獲得…“80点”の巨人を上回る高評価の球団は?〈ご意見番のドラフト採点〉 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2022/10/23 11:00

原監督ニンマリ「超攻撃型打線の未来図」を描ける浅野翔吾の獲得…“80点”の巨人を上回る高評価の球団は?〈ご意見番のドラフト採点〉<Number Web> photograph by JMPA

阪神との競合の末、浅野翔吾(高松商/外野手)の交渉権を引き当てた巨人・原辰徳監督

★DeNA 85点

 即戦力候補の投手を1位指名することが多かったDeNAが、松尾汐恩(大阪桐蔭・捕手)という高校生野手を1位指名したことは評価したい。19年に1位指名した森敬斗の成長が松尾の指名に踏み切らせたのかもしれないが、チームのウイークポイントを補強する意味でも的確だった。

 松尾は二塁送球で最速1.7秒台を計測する捕手の中でも超強肩の部類。大阪桐蔭では異なるタイプの右腕、左腕の3投手をリードしてチームを牽引したインサイドワークも光る。DeNAとしては1988年にドラフト1位で獲得した谷繫元信以来の超高校級キャッチャーだけに期待が高まる。打撃も魅力だけに、長くファームに塩漬けせず、できるだけ早い抜擢ができれば文句なし。二軍監督を経験した三浦大輔監督はそれができそうだ。

 2位以下でも的確な指名が見られる。中でも5位橋本達弥は慶應大でリリーフの役割を与えられていた。リーグでは安定感を見せていただけに、三浦監督としても起用しやすいルーキーかもしれない。

[指名一覧]
1位 松尾 汐恩 捕手 大阪桐蔭高 右右
2位 吉野 光樹 投手 トヨタ自動車 右右
3位 林 琢真 内野手 駒澤大学 右左
4位 森下 瑠大 投手 京都国際高 左左
5位 橋本 達弥 投手 慶應義塾大 右右

《育成指名》
1位 上甲 凌大 捕手 愛媛マンダリンパイレーツ 右左
2位 鈴木 蓮 内野手 滋賀学園高 右右
3位 今野 瑠斗 投手 東京都市大塩尻高 右右
4位 渡辺 明貴 投手 茨城アストロプラネッツ 右右
5位 草野 陽斗 投手 東日本大昌平高 右右

ドラ1吉村はV3のキーマンになれる存在

★ヤクルト 70点

「即戦力の1位」となったが、筆者がヤクルトを高く評価するのは弱点である先発投手だったからだ。

 優勝チームでありながら、2ケタ勝利を挙げた投手はゼロ。サイスニード、木澤尚文の9勝、小川泰弘、高橋奎二、原樹理の8勝が上位である。その現状で、社会人ナンバーワンの1位吉村貢司郎(東芝)の公表指名は理解できる。

 実力は10月6日のヤクルトとの練習試合でも証明しており、3回を無失点に抑える好投は高津臣吾監督の決断を後押ししたのではないだろうか。ちなみに、この試合では三冠王・村上宗隆を三振に斬って取っている。横変化のカーブ、スライダーに130キロ台後半のフォークボールのキレも一級品。V3の強力な戦力になりそうだ。

 そのほかで評価したいのは2位西村瑠伊斗(京都外大西・外野手)の指名だ。ホームラン記録を塗り替えた村上のメジャー挑戦を視野に入れたのか、高校通算54本塁打のスラッガーを獲得。3〜5年後が視野に入っているのがいい。

[指名一覧]
1位 吉村 貢司郎 投手 東芝 右右
2位 西村 瑠伊斗 外野手 京都外大西高 右左
3位 澤井 廉 外野手 中京大 左左
4位 坂本 拓己 投手 知内高 左左
5位 北村 恵吾 内野手 中央大学 右右

《育成指名》
1位 橋本 星哉 捕手 中央学院大 右左

(つづく)

#2に続く
二刀流・矢澤を獲得した日本ハムがパ最高「70点」ではドラフト最低評価の球団は?「高校生ゼロは驚き」「なぜスラッガーではなく投手を?」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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