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阪神ファンは神宮でも「六甲おろし」を唄うのか…声出し応援の是非を問う! 繰り返される”ルール違反”にNPBはどう対応すべき? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/10/12 11:00

阪神ファンは神宮でも「六甲おろし」を唄うのか…声出し応援の是非を問う! 繰り返される”ルール違反”にNPBはどう対応すべき?<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

クライマックスシリーズのDeNA対阪神戦、阪神ファンの「六甲おろし」合唱に対し、横浜スタジアムの電光掲示板に注意を喚起する表示が…

 それがいわば阪神ファンの醍醐味でもある訳だ。

 ただ他の11球団も、それぞれに声出しの応援スタイルがあり、コロナ禍まではそれぞれのファンがその応援スタイルを楽しんできていた。

 だが、コロナ禍となり声出し応援が禁止された後には、ほとんどのファンが声出し禁止のルールを守り、その中でスタンドから静かにチームをサポートしている。

神宮球場でも「六甲おろし」を歌うのか

 12日から神宮球場で行われるCSファイナルステージで阪神と戦うヤクルトのファンは、得点時の「東京音頭」の掛け声も我慢して沈黙のままに傘を振るだけだ。そこで果たして一部の阪神ファンはまた「六甲おろし」を大声で歌うのだろうか。

 その不公平感に他チームのファンは怒り、それを注意した横浜スタジアムのアナウンスにDeNAファンが拍手で賛同した。

 だからこそNPBに求めるのは、口だけではなく、応援ルールを守れない人やチームにはしっかりと具体的な処分をすべきということなのだろう。

声出し応援のルール緩和を検討してもいい?

 CSファイナルステージを前に阪神球団は公式ホームページと球団ツイッターを通じて、ファンに改めて声を出しての応援を控えるように伝えている。それでもまだ声出し応援をするファンがいるならば、そういう人々は退場処分にすることを検討すべきだ。あるいは集団での声出し応援が止まない場合には、チームに罰金を科すなり、それこそNPBが主催する日本シリーズでは違反球団の本拠地初戦の入場制限を行うくらいの告知をしてもいいのかもしれない。

 そして屋外でのマスク着用が必要なくなるなど現在の新型コロナウイルスに対する社会的状況を考えれば、この不公平感をなくすためには、そろそろ声出し応援禁止のルールを緩和することを検討してもいいのだろう。

 NPBでは9月12日に政府の方針に従い、新型コロナウイルス感染予防ガイドラインの一部を改訂。各都道府県の許可が出れば球場に「声出し応援」ができるエリアの設置が可能となった。しかしまだ実施を認めない地方自治体も多い。また声出しエリア設置にあたっては、その区域の観客制限を50%にしなければならず、現時点で設置球場は皆無というのが実情である。

【次ページ】 NPBに求められる”決断”とは

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