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渡邊雄太は“NBAスター軍団”ネッツにフィットする?「1対1でクリエイトできる選手はたくさんいる」現地メディアは“最後の1枠”と予想
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2022/10/10 17:00
NBA開幕に向けて、新天地ブルックリン・ネッツでロースター入りを目指す渡邊雄太。ディフェンス力を高く評価されている
ネッツでの初の実戦となった3日のフィラデルフィア・76ers戦では後半戦の開始からプレーし、15分42秒で10得点(FG3/5, 3P1/2, FT3/4)、4リバウンドをマーク。6日のマイアミ・ヒート戦でも第1クォーター途中から登場し、20分56秒で3得点(FG1/5, 3P1/3, FT0/2)、4リバウンド、2ブロック。得意のディフェンスには常に安定感があり、ファン、関係者にも好印象を残したはずだ。
ヒート戦でシュートの精度が悪かったのは少々残念ではあったが、試合後、「1試合(シュートが)よくなかったからといってどうとかといった見方はされていないはずです」と渡邊自身は述べていた。「精神的なものです」と少々イップス気味であることを認めているフリースローの不振は心配ではあっても、ここまでのプレーぶりには周囲の私たちも手応えを感じていいはずだ。
スター軍団ネッツが渡邊獲得に動いた理由
「これほどスター揃いのチームでなければ渡邊にはもっとチャンスがあるのでは」
渡邊のネッツとの契約が発表された直後から、そんな意見を盛んに聞いていた。もちろんチーム内の競争が激しいのは事実だろう。ただ、個人的にはネッツのようなチームこそがまさに渡邊の良さが生きる環境のようにも思え、その予感は最初の2試合のプレシーズン戦を見た後でも変わっていない。
昨季のネッツのディフェンシブ・レイティングはリーグ30チーム中20位、プレイオフに出場した16チーム中では14位。デュラント、アービングといった破格の得点力を持った選手を擁しながら、守備の穴は明白だった。ネッツの首脳陣ももちろんそれは認識しており、今オフはディフェンス補強に主眼を置いていた印象がある。
心身が健康な際にはリーグ最高級のディフェンダーであるシモンズが復帰してくるのに加え、ジャズとのトレードでオニールを獲得し、ゴール周辺のバネが魅力のクラクストンとも再契約。守備面の多才さが最大の魅力である渡邊との契約も、そういったディフェンスのテコ入れの一環としての動きだったことは容易に想像できる。