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渡邊雄太は“NBAスター軍団”ネッツにフィットする?「1対1でクリエイトできる選手はたくさんいる」現地メディアは“最後の1枠”と予想
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2022/10/10 17:00
NBA開幕に向けて、新天地ブルックリン・ネッツでロースター入りを目指す渡邊雄太。ディフェンス力を高く評価されている
「1対1でクリエイトできる選手はこのチームにはたくさんいますよね。僕はそういうのはあまり得意なタイプではない。違うところで自分の良さが生かせれば、絶対にこのチームで自分の役割が明確になってくるんじゃないかなと感じています」
本人もそう語っていた通り、あくまでNBAレベルでは、渡邊はたとえ力が落ちるチームに属したとしても、そこで高得点を稼ぐタイプの選手ではない。意思統一のできた強いチームにいって、主力を補完する役割でこそ生きる選手。これまでのプレシーズン戦でも依然としてディフェンスへの不安が消えないネッツに、渡邊はまさにフィットするように思えてくるのだ。
“最後の1枠”として有力視
開幕15人ロースター入りの見通しについて述べておくと、少なくとも現時点まで、渡邊に好意的な見方をしておいていいようだ。
保証された契約を持つデュラント、アービング、シモンズ、ハリス、オニール、クラクストン、カリー、ウォーレン、ミルズ、デイロン・シャープ、ケスラー・エドワーズ、キャメロン・トーマスの12人は確定。残るは3枠となるが、部分保証契約を持つエドモンド・サムナー、実績豊富なモリスのロースター入りが濃厚というのが一般的な見方になる。6日のヒート戦で集まった一部のメディア、関係者の話を聞く限り、“最後の1枠”は渡邊が有力とみなされている。
「ショーン・マークスGMが渡邊のスキルセットに魅了されている」
地元テレビ局YESで中継されたヒート戦の途中、渡邊が登場した際に実況アナウンサーはそう述べていた。前述通り、プレシーズン第1戦では後半戦開始から、第2戦では第1クォーター途中から起用されたこと、チーム内の紅白戦では控えチームのPFとして他ならぬデュラントとのマッチアップを任されていることなど、ネッツ内での高評価を感じさせるエピソードは少なくない。
もちろん最後まで気が抜けないのは事実である。トロント・ラプターズに所属した昨季の渡邊は1年前のこの時期に故障離脱を経験したが、無保証で臨んでいる今季に同じことが起きれば致命傷になりかねない。
「ケガをしないためにやることは全部やっているので、それでしてしまったらもうしょうがないという感じ」
本人はそう腹を括っており、正しい姿勢に思えるが、とにかく豊富な運動量が魅力の選手だけに、コンディションを保ち続けて欲しいと願わずにはいられない。