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「父と同じタイトルを獲れることってなかなかない」 “水沼貴史の息子”宏太が横浜F・マリノスで叶えたい夢「目標は父と一緒に有名になる」
posted2022/10/07 17:29
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
Jリーグは11月5日に最終節を迎えるが、優勝争いは横浜F・マリノス、川崎フロンターレの2チームに絞られた感がある。
横浜F・マリノスは、2019年以来のリーグ戦優勝を目指しているが、水沼宏太にとっては優勝すれば、初のリーグ戦タイトルになる。昨シーズンは、スタメン出場が1試合のみで不本意なシーズンになったが、水沼は今シーズン、並々ならぬ決意で臨み、6月には月間MVPに輝くなど、好調を維持している。今年は何が好調の要因になっているのだろうか。全3回のうち第3回/#1、#2へ
見ている人は見ているんだなって思ったんです
「昨シーズンは、全然スタメンに絡めず、マジでこれまでに感じたことがない悔しさがありましたし、自信を失いかけました。年末にいろんなチームから声をかけてもらったんですが、その時、見ている人は見ているんだなって思ったんです。自分がやっていることは間違いじゃなくて、自信を持っていいんだなって思ったんですよ。それで気持ちが吹っ切れました」
水沼のプレースタイルを高く評価し、湘南や京都など複数のチームからオファーが届いた。しかし、水沼は最終的に残留を決めた。
「僕がF・マリノスに移籍してきたのは、今ならF・マリノスで活躍できると思ったからです。でも、F・マリノスでは、まだ自分の力を発揮できていない。できるというところをみんなに見せつけることができていないんです。そう思って、残留を決めました。決めたことで前向きになり、新たな気持ちでよしやろう、自分を表現してやるぞみたいな意識になれました。心と体のバランスが取れてシーズンに入れたのがすごく大きかったですね」
今日は楽しかったという気持ちになることがすごく多い
サッカーに取り組む意識が変わると前向きに思考が変わり、プレーも変わった。その変化をケヴィン・マスカット監督は見逃さず、水沼は開幕からスタメン起用された。昨年はシーズンを通してスタメンはわずか1試合、計3得点だったが、今シーズンはリーグ戦出場27試合でスタメンは16試合に増え、得点も7に伸ばしている。