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「父と同じタイトルを獲れることってなかなかない」 “水沼貴史の息子”宏太が横浜F・マリノスで叶えたい夢「目標は父と一緒に有名になる」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2022/10/07 17:29
早ければ8日にリーグ優勝が決まる横浜F・マリノス。前節では2ゴールを決め、首位独走のチームで活躍を続ける水沼宏太に話を聞いた
「今年は、試合に出ているので少なくとも昨年よりはチームに貢献出来ているのかなと思います。試合や練習もすごく集中して、夢中になってできているので、今日は楽しかったという気持ちになることがすごく多いんですよ。そうしてサッカー自体を楽しめているのも好調を持続できている要因かなって思います」
優勝争いは、F・マリノスがリードしているが、眼下にいる川崎が虎視眈々とその座を狙っている。昨年、F・マリノスは勝ち点79と優勝できるレベルにあったが、川崎が勝ち点92という驚異的な数字を残して、2連覇を達成した。
昨年は川崎に圧倒的な力の違いを見せつけられた
「昨年、自分たちは多くの勝ち点を挙げられたんですけど、それ以上に川崎に圧倒的な力の違いを見せつけられたし、正直強いなと思いました。ただ、今年はそれほど川崎を意識することはなく、自分たちのサッカーを表現するというところに注力できているので、それが結果に繋がっているのかなと思います」
昨年、シーズン途中でアンジェ・ポステコグルー監督が欧州に挑戦の場を移し、マスカット監督がその路線を踏襲した。だが、監督が途中で代わったストレスはゼロではなかった。今年は、マスカット監督の下でキャンプをスタートし、戦術的な理解度が深まり、新しい選手との意思疎通も図られた。
「やっぱり昨年と同じ監督でシーズン前からやれたのは大きいです。今までやってきたサッカープラス、新しい積み上げがあったり、いろんなチャレンジをしてきているので、選手全員が気持ちよくサッカーを出来ているのかなと思いますね。僕自身も今の監督のサッカーは、より自分の強みを活かしてくれるスタイルなので、昨年以上に自分のパフォーマンスを出せていると思います」
タイトルが掛かった試合に活躍する“持っている男”
F・マリノスは第31節の名古屋戦に水沼の2ゴールなどで勝利したことで、11月5日の最終節を前に優勝のチャンスが近づいている。10月8日の次節でF・マリノスがガンバ大阪に勝ち、川崎が清水に引き分けるか敗れると優勝が決まる。
水沼は実はタイトルが掛かった試合に活躍する“持っている男”でもある。セレッソ時代、2017年のルヴァン杯準決勝のガンバ戦では木本恭生の決勝ゴールを演出し、2018年天皇杯決勝のF・マリノス戦では延長前半5分に決勝弾を決めた。
「天皇杯のゴールは、決めたというよりも決まっちゃった感がありますけど、やっぱり決勝に行くと気持ちが昂るというのがありますし、楽しくプレーできているところもあります。リーグ戦は最後の1試合まで気が抜けないですし、集中力が必要になってきます。その集中力が今の自分はまだ足りないので、そこをもっと高めて結果を残し、自分の価値を高めてF・マリノスの優勝に貢献したいと思っています」