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JリーグPRESSBACK NUMBER
「う、うまい…」絶品ハラミメシに半端ないカツカレー、至高のハム焼き…超充実“カシマのスタジアムグルメ”を本気で食べ歩いてみた
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2022/09/30 11:03
ハム焼き(左上)、ハラミメシ(右上)、もつ煮(左下)、カツカレー(右下)など、カシマサッカースタジアムが誇るグルメの数々
キックオフ後は、前半のうちにお店の方に話をうかがうことになっているため(ハーフタイムになれば販売が、後半になれば撤収作業が忙しくなるため)、スタグルを堪能する時間はキッカリ2時間。長いようだが、量が量なので時間との勝負になるだろう。我々は場外のキッチンカーに後ろ髪を引かれつつも受付に辿り着き、急いでコンコースに上がった。
すでにサポーターが入場して1時間が経ったコンコースは、浦和戦ということもあり混雑していた。売店前の行列も、もはや試合直前と変わらないくらい長い。
「……とりあえず、近いところからにしましょう」
我々の計画は、早くも白紙に戻った。
偶然が重なって生まれた大人気のハラミメシ
最初に購入したのは『居酒屋ドリーム』の「ハラミメシ」。現在のカシマを代表する名物スタグルの1つだ。ハラミメシの並のみは、横にある“密売所”で行列と関係なく購入することができる。
ハラミメシの人気爆発までには、様々な運命的な要素があった。
「ある時、名刺交換をして何分か立ち話をしただけの人から突然電話がかかってきて『今すぐ商工会に行って、カシマスタジアムでお店をやりたいです、と伝えろ!』と言われたんです」と居酒屋ドリームの代表・宮内さんは不思議そうに話す。
なぜその人が自分に声をかけてくれたのかは聞けずじまいだったそうだ。まさに運命的な出店となったわけだが、ハラミメシは最初からメニューにあったわけではない。出店当初はヒット商品がなく、毎試合のように新メニューを出してはやめ、と試行錯誤を繰り返していたという。
ハラミに白羽の矢が立ったのも運命的だった。銚子の実店舗では豚の1頭買いをしているそうだが、ハラミは焼こうとすると筋が多く、トリミングが面倒で冷凍の在庫がたまっていった。それが「ご飯ものがよく出るから何か欲しいな」と考えた際に、「焼くのは大変だけど煮込みをぶっかけたスタイルの丼ならば?」となり、これが当たった。しかも、ちょうど場所替えのタイミングでバックスタンド側の良い位置に店が移ったところだったという。
そんな経緯で生まれた大人気メニューは、ご飯の上に甘い味付けで煮込んだ豚ハラミと豆腐がどっさりと乗った、かなりボリューミーなガッツリ系だ。“密売所”ではない列で購入できるミニサイズでも、十分に1人前レベルの満足度となっている。
並はそれだけで食事の時間を終わりにしてもいいと思えるほどのボリュームがあるが、お腹を空かせていたA氏は「う、うまい……」と悶えながら一気に完食。行列を避けて密売所で買えたことで、時間的にも幸先の良い幕開けとなった。