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「う、うまい…」絶品ハラミメシに半端ないカツカレー、至高のハム焼き…超充実“カシマのスタジアムグルメ”を本気で食べ歩いてみた 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2022/09/30 11:03

「う、うまい…」絶品ハラミメシに半端ないカツカレー、至高のハム焼き…超充実“カシマのスタジアムグルメ”を本気で食べ歩いてみた<Number Web> photograph by Masashi Hara

ハム焼き(左上)、ハラミメシ(右上)、もつ煮(左下)、カツカレー(右下)など、カシマサッカースタジアムが誇るグルメの数々

『ROCK IN JAPAN』をはじめとした“フェス飯”としても強く支持されているハム焼きは、歯ごたえはあるが固くはなく、塩気とスパイスを上回るほどの強烈な肉の旨味をダイレクトに味わえる。社長の小泉さんは「これはスタジアムやフェスで食べるもの。他では食べられないでしょ」と“ハレの日”の特別な食べ物としてのパワーに自信を見せる。

 特許も取得している独自製法の美味しすぎるハム焼きは、もつ煮がそうであったように他クラブのサポーターに広く知られるまで時間はかからなかった。この日はアウェイゴール裏のコンコースにも出店し、浦和サポーターが大喜びで買って行った。「アウェイスタンドに2000人いれば1000本出る」という驚異の人気ぶりだ。小泉社長は言う。

「サッカーのお客さんは全国各地にいて、PRしてくれる。ありがたいよ」

 コロナ禍でスタジアムにもフェスにも出店できなかった時、それまで非日常空間でハム焼きを食べていた観客たちが、商品を買いに来てくれた。そういえば他のお店のみなさんも、同様のエピソードを語っていた。非日常で生まれた繋がりが、苦しい時期の支えになり、それぞれが日常を取り戻していく力になった。

スタジアムで味わう“非日常”の幸福

 居酒屋ドリームの宮内さんはこう言っていた。

「コロナ禍で通販を始めたんですけど、アントラーズのサポーターをはじめ、たくさんの方が買ってくれたんです。最近になって通販も落ち着いてきて、それだけ日常が戻ってきたというか、ここ(カシマスタジアム)で食べる喜びを感じてもらえているんだな、と思います」

 日常があるからこそ非日常は特別なものとして際立ち、非日常があるから日常を頑張ることができる。コロナ禍以前は当たり前だったそのサイクルが、再び機能しつつあるのかもしれない。

 この日の入場者数は2万664人。賑わいは着実に戻ってきている。

 それでも、すべてが元に戻ったわけではない。アントラーズの萩原さんは言う。

「売上を見ると、マックスの値は戻ってきています。でも、私たちはミニマムのところを見ます。そこを見るとまだなんです。やっぱり、そこが戻ってこないとダメなんです」

 スタジアムに足を運ぶきっかけは、食欲でも構わない。我々がこの日さまざまなグルメを堪能したように、非日常を味わう幸せは、何物にも代え難いものなのだから。

<前編から続く>

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他サポが名物を“密輸”することも…「カシマサッカースタジアムの食べ物がうますぎる」のはナゼ? アントラーズの担当者を直撃

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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