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“エムバペと確執説”ネイマールが絶好調 「僕にとって最後」カタールW杯へ南野所属モナコ戦など6戦9発…ただ不安要素が3つ
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/09/03 06:00
日本ツアーでも鮮やかなプレーを見せたネイマール。シーズンイン後もPSGで実力を発揮している
さらに、31日のトゥールーズ戦でもメッシからのスルーパスを受け、右足で蹴り込んだ。今季最初の6試合で、6戦連続の9得点で6アシスト。チームもリーグ戦で首位を走る。
バルサ時代の数字と比べても突出している
2013年にバルセロナへ移籍して以来、これが欧州で10シーズン目。各シーズン最初の6試合(本人出場分)における得点とアシストの数は以下の通りである。
<バルセロナ>
2013-14年:1得点2アシスト
2014-15年:3得点0アシスト
2015-16年:3得点1アシスト
2016-17年:4得点7アシスト
<PSG>
2017-18年:5得点5アシスト
2018-19年:4得点2アシスト
2019-20年:4得点0アシスト
2020-21年:2得点3アシスト
2021-22年:1得点2アシスト
2022-23年:9得点6アシスト
今季の数字が、突出している。
しかし、油断は禁物だ。PSG移籍直後の2017-18年も好調な滑り出しだったが、その後、右足首を骨折して長期欠場。結果的に、チームの全50試合中30試合しか出場できなかった(ただ、それで28得点16アシストは大したものだが)。
シーズンを通じて最高の成績を残したのは、バルセロナへ移籍して2季目の2014-15年。最初の6試合の結果は彼としては平凡だったが、最終的に51試合に出場して39得点10アシスト。
一方、最低の成績だったのは昨季。6度も故障して22試合欠場し、出場試合、得点、アシストの数がいずれも自己最少か最少タイだった。28試合出場は最少から2番目、13得点と8アシストはいずれも最少だった。
今季、なぜこれほど見事なスタートを切ることができたのか。
最大の理由は、シーズンの途中にW杯が開催され、自身の初優勝を目指しているからだろう。今回が3度目のW杯だが、「これが僕にとって最後のW杯となるだろう」と語っており、心に期するものがある。
それゆえ、シーズンオフは連日、リオの別荘で専属フィジカルコーチとトレーニングを続けた。
また、セレソンの通算得点記録を更新することもモチベーションを高めているはずだ。
ここまで積み重ねた代表での得点は74で、キング・ペレが持つ最多記録まであと3点。今年のW杯を最後にセレソンを引退するとしても、9月の国際Aマッチデーの2試合とW杯での数試合がある。彼にとっては十分に達成可能な数字だ。偉大なペレの記録を書き換えることは、彼にとって巨大な勲章となる。
シーズン開幕後の"エムバペとのトラブル"とは
ところが、8月にシーズンが開幕してからトラブルが発生した。