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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「最初から怖がらなかった」父・松田努が語る、娘・凜日とラグビーの出会い…待望の大型FBに受け継がれる“15番のDNA”とは?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byL)JRFU / R)Hideki Sugiyama
posted2022/08/05 17:01
5年ぶりの女子ラグビー国内テストマッチで輝きを放った松田凛日(20歳/左)。父・努の代名詞である「15番」を日本代表で初めて背負った
「凜日を初めてラグビーに連れて行ったのは、確か小学3年くらいだったと思います。東芝グラウンドで府中ジュニアラグビースクールが練習していて、女子も何人かいるのを知っていました。その頃、凜日が『なにか運動したい』と言っていて、『ラグビースクールに行ってみる?』と聞いたら『行ってみたい』と答えたので、連れて行きました」
努さんは少し照れながらも、記憶を手繰ってくれた。それまでは本格的なスポーツはせず、モダンバレエの教室に通っていたという凜日だが、ラグビーは性に合っていたようだ。
「体験教室で試合形式の練習に入ったんですが、すごく楽しそうでした。もともと足は速かったけど、ちょっと教えられただけでステップも切れるようになったし、コンタクトプレーを最初から怖がらなかった。ふだんはそんなに自分からしゃべる方じゃないけれど、試合中は声も出していましたね」
「最近は僕の方がどんどん下手になって…」
小学校から中学校に上がると、関東ユースの練習会に呼ばれ、関西や九州のユース選手と一緒にプレーする機会も増え、近い年代のトップ選手のプレーを目の当たりにすることも増えた。
「ユースの練習会に行くと『君たちには東京オリンピックという目標があるよ』とハッパをかけられるし、いろんな技術や練習方法を教えていただいたり、うまい人のプレーを見て、よりうまくなりたいという気持ちが出てきたんでしょうね。『パスの練習するからつきあって』と言われて、家の前でステップやパスの練習相手をしたこともちょくちょくありました。最近は向こうが上手くなって、僕の方がどんどん下手になって、ショックを受けてます。よそのクルマにぶつけそうになって『気をつけて!』と叱られたり。昔は僕が注意する側だったんですが(笑)」