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「宗の話は、何も喋りませんよ」村上宗隆の父から忠告も…気づけば2時間“家族の話” 弟・慶太「宗にぃと背比べすると、自分が勝つんです!」
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/08/03 17:01
今季、驚異的な成績を残しているヤクルト村上宗隆の高校時代。4カ月前、九州学院の取材で熊本を訪れると…
弟・慶太「宗にぃと背比べすると、自分が勝つんです!」
楽しそうに語る公弥さんの家族話はそのあとも続いた。村上家は友幸、宗隆、慶太の男三兄弟。身長は順に、193㎝、188㎝、190㎝。そう、あんな豪快なホームランを打つ宗隆が、村上兄弟では1番「小さい」のだ。そのことを翌日、慶太にも聞いたが「そうなんですよ! 宗にぃと背比べすると、自分が勝つんです!」とうれしそうだった。「あと、ゲームも宗にぃよりうまいっすよ! 自分が勝ちますよ!」と慶太。このときの顔はもう「ドヤ顏」だ。仲がいい兄弟なんだな、と思った。
三兄弟がケンカしながらいつも一緒に遊び、母の美味しい手料理をいっぱい食べて、お風呂に入って、たっぷり寝る。当たり前のようであって、意外といまの忙しい時代ではできなくなっているおおらかな家庭生活を、村上三兄弟は日々過ごしてきたというのが伝わってきた。
父や宗隆が感謝する“高校時代の恩師”
宗隆は、現ソフトバンク2軍コーチ・吉本亮(九州学院出身)の父・幸夫さんが監督を務める熊本東リトルシニアでキャプテンを務め、勝利主義だけに偏らない、個性を伸ばす野球指導を受けた。そのあと高校を決めるとき、前監督の坂井宏安氏から言われた「うちではファーストストライクを打てばいい。理想は27球で終わる野球。相手ピッチャーの肩も消耗しないし、試合時間も短くなる。初球から思い切って打てばいい」の言葉が響いて入学を決めた。