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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
PSG取材で来日、フランス記者に本音を聞いた“Jリーグの評価は?” 「カワサキは一番危険な相手だった」「観客の声出し禁止は奇妙な感じ」
posted2022/08/04 11:02
text by
小川由紀子Yukiko Ogawa
photograph by
Takuya Sugiyama
新監督クリストフ・ガルティエを迎えた新生PSGの重要な調整キャンプを追いかけようと、本国フランスからも数人のジャーナリストが取材に訪れていたが、その中の一人、世界最古の報道機関としても知られるAFP通信でサッカー取材を専門とするケイヴァン・ナラギ記者に、Jリーグのチームが見せた日本のサッカーへの感想とPSGにとってこのツアーが成功だったのかを聞いた。
全2回のうち#1/日本の印象について聞いた後編#2もあわせてお読みください
――まず率直に、日本のチームの印象は?
ケイヴァン・ナラギ(以下ナラギ記者) 試合ではおもにPSGを観察する立場にあったから、日本側についてはざっくりとした印象しか語れないけれど、それぞれが自分の持ち場をしっかり意識していて、よくオーガナイズされていると感じた。ものすごくダイナミックだし、チャンスも作っていた。要所要所で好プレーも見せてくれた。その一方で、テクニックといった部分では、やはりPSGの選手と比べたら能力にかなりの差があるな、というのが正直な感想。でもそれは、いまのPSGのメンバーを見ればある意味当然のことだよね。
ガンバ戦のメンバーは”本番仕様”だった
――川崎フロンターレは、この5年で4回リーグを制している日本の王者ですが、彼らからは王者たる強さを感じましたか?
ナラギ記者 それは見ていて感じた。PSGにとってもっとも危険な相手だった。開始直後から果敢に攻め込んできて、パリは受け手にまわされる展開になっていた。PSGのこともよく分析していたし、一方でPSGのほうはリズムを待っていた感じの戦い方をしていた。とはいえ、やっぱりレベルの差は歴然だった。それに、ベストプレーヤーは代表戦に出ていて不在だったんでしょ?
――違いは個々の能力?
ナラギ記者 それは間違いない。日本のチームはその個の力をうまく組み合わせてチームとして機能させるという点ではとてもうまくやっていると感じた。ただ、PSGが本領発揮して牙を剥いてくると、太刀打ちするのが厳しくなる。ガンバ戦のスタメンは、トロフェ・デ・シャンピオン(7月31日にイスラエルで行われた昨季のカップ戦王者ナントとのスーパーカップ:4-0でPSGが快勝)のメンバーと同じだったからかなりの難敵ではあったけれど、序盤はガンバも応戦していた。しかし試合の途中からPSGがどんどん出力を上げてきたら、ガンバは対応しきれなくなった。
満員のスタジアムを見られたのは感動だった
――個々の選手で印象に残ったのは?