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羽生結弦の“決断”はフィギュア大国ロシアでどう受け止められたのか?「神から与えられたスケーター」「ユヅルは気さくで親しみやすく…」
posted2022/08/03 17:00
text by
栗田智Satoshi Kurita
photograph by
JIJI PRESS
「羽生結弦“引退”」のニュースは、ロシアでもすぐさまトップニュースとして報じられた。
タス通信、RIAノーボスチなどの通信社、スポーツニュースサイトはもちろんのこと、国営テレビの第1チャンネル、RBKやコメルサントなどの経済紙系も速報として取り扱ったのは、外国人選手としてはなかなか異例のことだ。
興味深かったのは、会見での羽生の言葉に触れながら、競技から引退はするものの4回転半を含めて自分自身への挑戦はこれからも続けることなど、彼の意に寄り添うような丁寧な報じ方をしていたことだ。これは五輪連覇など数々の偉業を成し遂げた者、長い競技人生を終える決断をした者への敬意の表れだろう。
プルシェンコ「活躍を祈ります、わが友ユヅルさん」
ファンはもちろん、フィギュアスケート関係者からも続々と反応が寄せられた。
ロシアフィギュア界の重鎮タチアナ・タラソワは、「彼が競技生活を終えることをさびしく思います。優れた選手こそが大会を華やかに飾ることができるからです」と第一線を退くことを惜しみつつも、「彼がたどったすばらしい道のりを私たちが目にすることができたことにありがとうと言いたいです。彼には最高のプログラム、記録、ジャンプ、スケーティングのすべてがありました。羽生結弦は偉大な個性の持ち主です、間違いなく」と賛辞の言葉を贈った。
そして、プロのスケーターとしての新たな出発に際して、「私は彼のことが大好きです。これまでも、そしてこれからも。彼が手がけるショーをぜひ見たいと思います。彼自身がそうであるように、別の惑星から来たような信じられないほど素敵なショーになることでしょう」と祝福した。
羽生にとって少年時代から憧れの存在であった“皇帝”エフゲニー・プルシェンコは、自身のInstagramで、共演したアイスショーでの動画とともにコメントを残している。