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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジル代表屈指の「品行方正な10番」カカ40歳は今何してる? 引退後モデルの女性と再婚…「フットボールと学業の両立」大使も
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNaoya Sanuki
posted2022/07/18 17:01
ブラジル代表のエースだった頃のカカ。40歳になった今、どうしている?
その後、ACミランが財政難に見舞われると、2009年6月、サポーターに惜しまれながら移籍金6700万ユーロ(約93億円)でレアル・マドリーへ。
最初のシーズンは、33試合に出場して9得点とまずまずだった。しかし、その後は股関節や膝の故障に苦しみ、プレー内容が低下してベンチを温めることが増えた。
ジョゼ・モウリーニョ監督の信頼を失って退団を余儀なくされ、2013年9月、古巣ACミランへ復帰する。しかし、ここでもかつてのような輝きを放つことはなかった。
「フットボールと学業の両立」アカデミー大使に
2014年に古巣サンパウロへ期限付き移籍した後、2014年7月、MLSのオーランド・シティへ移籍した。3年間プレーした後、2017年末に現役引退を表明。「将来、強化部門の責任者などクラブと選手たちをつなぐ仕事をしたい。これから、そのための勉強をする」と語った。
スポーツマネジメントなどの講座を履修した後、今年5月、ブラジル1部の監督を務めることができるAライセンスを取得した。
また、今年7月、アメリカの企業が「フットボールと学業の両立」を目指して設立した選手育成アカデミーのアンバサダーに就任。将来、ブラジルの若者がスポーツ特待生としてアメリカの大学などで学びながらプレーする手助けをするという。
私生活では、2005年に富裕層のブラジル人女性と結婚して1男1女を授かったが、2015年に離婚。2019年にモデルの女性と再婚し、昨年10月、娘が生まれた。
今後については、「ずっとフットボールの世界で仕事をしたい」と語っており、クラブ幹部、スポーツディレクター、指導者などのキャリアを思い描いているようだ。
選手としては、アドリアーノのような規格外の能力を備えていたわけではない。しかし、恵まれた家庭環境で育ち、インテリジェンスと順応性を発揮して輝かしいキャリアを築いた。クラブで、代表で、さらには個人としても世界の頂点を極めた。
第二の人生においても、自分が目指す道をしっかりと定め、目標を実現するための準備を着実に積み重ねている。今後、ブラジルのみならず世界のフットボールのさらなる発展に重要な役割を果たしてくれることを期待したい。
<#1/アドリアーノ編から続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。