スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
「日本の方が疲れとったよ」フランスの洗礼を受けたラグビー日本代表…“第2テスト”はどう戦う? ジェイミーHCが強調する2つのキーワード
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAtsushi Kondo
posted2022/07/08 06:00
フランス第2戦でも10番を託された李承信(21歳)。第1戦ではキレのあるアタックを披露した
李はところどころにキレのあるアタックを見せたが、フランスの洗礼を受けてもいる。後半最初のアタックでいい流れで攻めながらもボールを離せずにペナルティ。さらには敵陣ゴール前に攻め込むタッチキックの手痛いミス、ディフェンスでは後半になって相手が李を狙ってきた。
いずれも分かりやすいミスだったが、この経験をどう生かせるのか。またとない成長の機会であるだけに、なんとか結果を残したい。後半にベテランの田村優が登場してくるのが既定路線。前半のうちに速さを武器としたアタックを見せて欲しい。
負傷者続出のロックには2mコンビ
日本代表は、来年のW杯に向けていまだ試行錯誤の真っ最中にある。負傷者が続いているロック陣は、今回は若い顔ぶれになったのが象徴的だ。
今回の先発は20歳のワーナー・ディアンズ(キャップ3)、26歳のサナイラ・ワクァ(キャップ1)の2mコンビと、リザーブにはノンキャップの辻雄康が入った。
経験が不足している以上、策士が求める練度に達することが出来ないが、3人とも来年のW杯に向けてサバイバルレースに入っており、個性を主張する瞬間が欲しい。
このように、若い選手が注目される分、日本はあくまで発展途上の段階にある。
懐の深いフランスに対して、どこまで戦えるのか。
日本代表が新しい国立競技場でプレーする最初の機会だけに、印象に残る試合を期待したい。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。