知念君が引き継いでくれてうれしいですね

——今は増えて来ましたね。

「フロンターレでは知念（慶）くんが自分と同じ応援歌（チャント）を引き継いでくれていて嬉しいですね。すごく活躍して頑張っているので、応援しています」

——フロンターレでもレギュラーになって、オシム監督に評価されて沖縄初のサッカー日本代表としてゴールも決めていた。そんな中でのドーピング冤罪事件。これはスポーツ紙の誤報が発端でした。デマは打ち消さないといけないのですが、その後、立ち上がった経緯や事実の発信が弱くて、にんにく注射と誤解している人がいまだにいます。それから、真実を仁賀先生たちから学んでCASに向かって行った。これも自分のためだけならば、動いていなかったですね。

「そうですね。最初の発端はメディア発信だったので、あの当時に今みたくSNSが普及していたら、少し変わったのかなと思います。仰ったように自分の潔白と、後に苦しむ選手が出て欲しくないという思いでやっていましたね。自分の子供たちが大きくなって、父親として後ろ指を差されるようなことはやっていないし、サッカーを裏切らず、真実を明らかにして欲しいというその一念ですね。でも決して1人ではできなくて、仁賀先生はじめチームドクターの皆さん、選手会、チームの垣根を越えたサポーターの皆さんの尽力のおかげです」

©Sports Graphic Number

——そこからヴィッセル神戸へ移籍。さらに地元のFC琉球に戻って3年続けました。

「同級生の新里が監督をやっていたということで彼の助けになりたいという面がありましたし、あとはその頃はまだ沖縄にサッカー文化が根付いていなくて、一緒に盛り上げたいという気持ちで戻りました」

必要とされる限りはその環境を手放したくはない

——30歳で琉球に加入してプレーし、地元に貢献できましたとなったところで、そのままフェイドアウトすることもある意味でスムーズだったのではないかと思いますが、そこから再び現役を続けようと思えた理由、気持ちの持ち方というのは？

「沖縄へ帰って3年間プレーさせてもらって、JFLだったんですけどまだまだ体は動いていました。自分が沖縄に対してやるべきこととして、地域の皆さんの情熱に応えることであったり、当初の目標であった子どもたちにプレーを見せることはできました。そしてまたもう一度上のカテゴリーでやりたいなと思ったんです。ちょうどカマタマーレ讃岐がJ2に上がったシーズンだったので、声をかけてくださって、再びJに挑戦しようと思ったのがきっかけでしたね」

——そして讃岐で6年、福井で2年、今年から大分。そこまで現役にこだわる理由というのは何なんでしょうか。

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