ゴルフPRESSBACK NUMBER
“キャディーの職務放棄”騒動はなぜ起きた? ベテラン同業者が明かす“トラブル予備軍”がゼロではないウラ事情
text by
田中宏治Koji Tanaka
photograph bySankei Shimbun
posted2022/06/29 17:01
大西葵(右)のキャディーを務めた大江順一氏。試合途中で会場を立ち去ったことが大々的に報じられた
件のベテランキャディーは今回の騒動を受けて、周囲とは全く違った感想を口にした。
「今、キャディーが集まっているところに行ったら『大江は前からヤバかった』とか、そんな噂話をしている連中ばっかりです。そんな中に入りたくないので自分は行きません。詳細は分かりませんけど、反面教師にして自分の行いを見直すべき時なんじゃないですかね」
次にトラブルを起こしかねない予備軍がゼロではない。そんな不安をどこかに感じているのだろう。
続けてマスコミにも苦言を呈す。
「キャディーを“優勝請負人”なんて扱うのは本当にやめてほしいです。少しでも確率が上がるように努力はしますが、優勝するのは選手であって、誰がキャディーをしたから勝ったなんてことは絶対にありません。自分も似たような書かれ方をした経験があって、本当に嫌だったし、選手に申し訳ない、失礼ですよ」
優勝請負人とはかつて大江氏につけられた異名。彼が、いやプロキャディー全員がこんな謙虚な気持ちで選手のサポートに徹していたならトラブルの火種になるようなことすらなかったのかもしれない。