草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
中日・根尾昂の“あるデータ”にスコアラー驚愕「え、こんないい数値、どのピッチャー?」…岡本和真&佐藤輝明を抑えられた理由とは
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph bySankei Shimbun
posted2022/06/27 11:01
スコアラーを驚愕させた投手・根尾昂の“あるデータ”とは
「凄く雰囲気がありましたし、もっと伸びしろがあると思うので、凄いなあと思いますけど。一投手として、しっかり対策していきたい」
根尾の“あるデータ”にアナリストが驚愕
6月26日現在、5試合、4回3分の1を投げて4安打、1四球で1失点。将来的には先発として育てたいというのがチーム方針なので、まだ覚えることはたくさんある。しかしダルビッシュや佐藤が言うように「伸びしろ」は大いに感じるところ。また、こうした結果が決してたまたまではないことを証明する数値がある。驚きの表情で語るのは、あるベースボールアナリストだ。
「誰のデータなのか、仮に根尾という名前が伏せられた資料があったとすれば、え、こんないい数値、どのピッチャーなの?と思うレベルです。もちろん一軍クラスという意味で。ストレートならスピン量、スライダーも変化量がかなり優秀なのは間違いない」
NPBの一軍平均で、ストレートのスピン量は2240~2250回転だが、根尾は平均で2400台半ば、最高値だと2500回転を超えていたという。現時点での得意球であるスライダーもしかりで、NPB平均値を大きく上回るスピン量、変化量を示している。これらはいわゆる「野手投げ」では出せない数値であり、別のベテランスコアラーもハッキリと言った。
「野手の投げる球か、投手の投げている球かという次元ではない。投手そのものの球を投げている。パッとやって、もうこれだけの球を投げているんだから、いろいろなことを吸収していくとさらに上のレベルの投球が期待できるはず」
まだ5試合、たった69球。投手・根尾を見る前の少し厳しかった評価は、見た後でガラリと変わった。繰り返しにはなるが、変えたのは根尾の実力。そしてこの先の「伸びしろ」が楽しみである。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。