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「失敗を恐れるな」チェイス・アンリ18歳に響くNBAレジェンドの名言…「U-21経由シュツットガルト」で遠藤航、伊藤洋輝に続け
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byVictor Fraile/AFLO
posted2022/06/22 06:00
U-23アジアカップを戦ったチェイス・アンリ。ブンデスリーガの舞台に立てるかの戦いがすぐに始まる
束の間のオフを挟み、チェイスは本格的にドイツに渡る。練習に参加しただけの1カ月と異なり、プロとして生き残りを懸けたシーズンが始まる。
かつてはチャンピオンズリーグ優勝という夢を掲げていたが、今はまず「トップチームに昇格すること。その先はまだですね」と、目の前の戦いに集中している。
焼き付いている伊藤洋輝と遠藤航の雄姿
チェイスの脳裏には、目指すべき光景が焼き付いている。
5月14日のブンデスリーガ最終節のシュツットガルト対ケルン戦。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、シュツットガルトのコーナーキックを伊藤洋輝がニアでフリックして流すと、ファーで遠藤航が飛び込み劇的な決勝ゴールが生まれた。
苦しんだ末に1部残留が決まった瞬間を、チェイスはメルセデス・ベンツ・アレナのスタンドから眺めていた。
「日本人選手がアシストして、日本人選手が決める。こんなことあるのか、凄いなって。ものすごく刺激になりましたね」
今も目に浮かぶのは、その直後の興奮と歓喜だ。
「もう観客の全員がピッチになだれ込んでいきましたから。凄かったです。自分も早くここで試合に出たいなって思いました」
今年1月には日本代表候補合宿にも参加し、ポテンシャルは誰もが認めるところ。未来の大器の戦いは、まだ始まったばかりだ。