炎の一筆入魂BACK NUMBER

《大瀬良3連敗、森下4連敗》投手起用に迷いあり!? 交流戦3年連続最下位の広島が自慢の強力先発陣を活かしきれない理由 

text by

前原淳

前原淳Jun Maehara

PROFILE

photograph byKYODO

posted2022/06/20 11:01

《大瀬良3連敗、森下4連敗》投手起用に迷いあり!? 交流戦3年連続最下位の広島が自慢の強力先発陣を活かしきれない理由<Number Web> photograph by KYODO

交流戦最後の登板となった6月3日のオリックス戦でも、チームを勝利に導けなかった大瀬良

 森下はリーグ戦再開後初登板の18日ヤクルト戦で、6回途中4失点と4連敗を喫した。ここまで12球団最長の88回を投げ、球数も12球団最多1394球の西武高橋光成より1球少ない1393球。入団1年目から昨年の東京五輪を含めフル稼働してきた。その影響がゼロとは言い難い。

 可能な限り先発投手を引っ張る傾向にあるのは、中継ぎに不安を残すチーム事情もあるだろう。ただ、ここまで先発投手のイニング途中の降板は17試合にのぼる。中継ぎ陣は「ピンチを迎えたら」「走者を出して左打者を迎えたら」という「もし~したら」に備えなければいけない。ブルペンで何度も肩をつくる回数は増え、目に見えない負担が増しているはずだ。

選手起用に迷いはないか?

 結果の出ない状況が焦りとなり、悪循環に陥っているのかもしれない。選手起用にも迷いが見える。

 交流戦明けのリーグ戦再開初戦。首脳陣は先発を中13日の大瀬良に託した。だが、大黒柱にも全幅の信頼をおいているわけではないように映った。

 バッテリーを組んだ捕手は「僕よりも僕のことを分かってくれている」と大瀬良が信頼を置く正捕手・會澤ではなく、若い中村奨成だった。會澤が2戦目に先発マスクを被ったことを考えればアクシデントではなかったのだろう。今季大きく負け越すヤクルト対策という意味合いがあったかもしれないが、エースを期待する投手への信頼をも揺るぎ始めているのか——。大瀬良と會澤のバッテリーは広島の核ともいえる存在。マネジメントする上で両者間の信頼関係は必要不可欠なものだ。

 これから梅雨や夏場が訪れ、目に見えないダメージを負う季節となる。本当の戦いはその先にある。3連連続Bクラスに終止符を打つためにも、ヤクルトを追走するためにも、目の前の1試合にすべてを注ぐだけではなく、その先までを見据えて戦っていかなければいけない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

関連記事

BACK 1 2 3
広島東洋カープ
大瀬良大地
森下暢仁
九里亜蓮
床田寛樹
遠藤淳志
野村祐輔
ドリュー・アンダーソン

プロ野球の前後の記事

ページトップ