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本田圭佑「壁を感じていたのは確かです」プロ7年目の29歳はなぜ“中継ぎ”で覚醒できたのか? 《西口二軍監督の助言》
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKYODO
posted2022/06/17 11:00
5月24日中日戦では2シーズンぶりに白星を挙げた西武・本田圭佑(29歳)
先発から中継ぎとなっても、目標は変わらないと語る。
「これまでも、どちらかというと具体的な数字を目標に挙げるより、『しっかり準備をして試合に臨もう』という思いでやってきました。試合に入ったら、行くぞと言われたところで、しっかり自分のパフォーマンスが出せるように準備をして、マウンドに上がったら0に抑えるだけ。その考え方は今年、一軍に上がってからずっと変わりません」
今後、長いシーズンの中ではチーム事情で先発に戻ることもあり得るが、以前のような壁は感じていない。本田は一軍昇格する直前、イースタン・リーグ(3月29日ヤクルト戦)で延長11回、154球完投を記録している。試合は本田がヒットを打たれ、ライオンズがサヨナラ負けを喫したが、本田は5安打2失点で延長11回を投げ切った。当時、故障者が多いチーム事情からの球数と完投だと思われていたが、実際は違う。
「それまでは長いイニングを投げるのが得意じゃないという感覚があったんですが、あの試合は、後半もボールのスピードが落ちなかったし、ずっと良い感じで投げることができました。ピッチャーがいないから無理に投げたのではなくて、結果的に完投になった。自分にとっては新たな発見というか、すごく自信に繋がる試合になりました」
そう、明るい表情で語った。
与えられた場面で全力を出し切る。その一心でマウンドに向かう姿に今後も注目したい。