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交流戦2位&セ最下位脱出の阪神が“新助っ人”獲得に動く!? 期待したい「バース以来の記録」を持つ“あの左打者”の再来
posted2022/06/16 11:02
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph by
KYODO
6月12日、プロ野球交流戦の全日程が終了した。各チームともペナントレースの行方を大きく左右する重要な18試合。優勝は、14勝4敗で勝率.778を誇った昨シーズン覇者のヤクルト。その後に続いたのが、開幕から低迷が続いていた阪神タイガースだった(交流戦2位、12勝6敗、勝率.667)。
5月31日の西武戦(甲子園)には、89試合を残しながら自力優勝の可能性がシーズン初めて消滅。首位ヤクルトとのゲーム差は12.5まで開き、翌6月1日付の一部スポーツ紙には「今世紀最速」のセンセーショナルな見出しも躍っていた。シーズン54試合目で自力優勝の可能性が消滅するのは21世紀に入って球団最速で、阪神ファンにとっては衝撃的な出来事だったはず。
ただ、交流戦を終えてみれば、巻き返しに成功。6月11日には、3月29日の広島戦(マツダスタジアム)で屈辱の逆転サヨナラ負けを喫して以来、リーグ最下位を脱出した。翌12日には単独4位に浮上している。
「ピッチャーは頑張ってくれていた。そういうところでは点を、どう取るかというところが課題であったけど、交流戦ではそういう形ができた」
阪神・矢野燿大監督は逆襲への手応えも少なからず感じ取っていた。
ターゲットは打てる外国人野手
しかし、チームの課題は完全に克服されていないのが現状だ。昨季の快進撃を支えた攻撃力は明らかに低下し、爆発力もない。リーグ戦再開前の6月16日時点でチーム打率.232はリーグ最下位、206得点は同4位。2021年の同時期は打率.254、273得点で共にリーグ1位の数字を誇っていたことを考えれば、チーム低迷の要因が脆弱な打力であることは明らかだろう。
今後の戦い次第ではAクラス進出の可能性も十分あるだけに、今季残り78試合に向けて球団が新たな補強策に打って出ることは確実である。事実、シーズン後半を見据えて水面下では新外国人選手の獲得に動いている。ターゲットは打力に優れる外国人野手。
一方で、意中の新助っ人は獲得前から大きすぎる期待を背負わされていることには気づいていないはずだ。まだ見ぬ新戦力が“当たれば”チーム浮上の可能性が確実に高まるが、その期待とは裏腹に現実が甘くないことは阪神の歴史を振り返ればよくわかる。