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本田圭佑「壁を感じていたのは確かです」プロ7年目の29歳はなぜ“中継ぎ”で覚醒できたのか? 《西口二軍監督の助言》
posted2022/06/17 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
KYODO
今シーズンから中継ぎに配置転換した埼玉西武ライオンズの本田圭佑が小気味いいピッチングを見せている。6月16日現在、15試合に登板し、2勝3ホールド、防御率は1.45。今シーズンの初登板からは12試合、連続無失点を記録した。ビハインドの場面だけではなく、勝ちパターンでも登板し、着実にチームの信頼を得ている。
本田は今年、プロ入り7年目の29歳。昨シーズンまでの通算成績は7勝14敗で、19年にキャリアハイの6勝を挙げてからは1シーズン、一軍に定着した年がなかった。
いったい何が変わったのか。
西口二軍監督「フォークに取り組んでみないか」
本田は今年、開幕を二軍で迎えた。4月26日、新型コロナに感染した中継ぎ投手の代わりに一軍に昇格。そのまま毎試合、ブルペン待機となった。これまで先発を任される機会が多く、中継ぎで登板する機会は少なかった。本田は語る。
「実際、ファームでも先発で投げていたので、中継ぎで(一軍に)上がるということは想像してなかったですね。これまで中継ぎはほとんど経験したことがないポジションだったんですけど、だからと言って『中継ぎの仕事をしよう』とか、そういう風には気負わずに、今まで先発していたときと一緒で『任せられたところをしっかり押さえるだけだ』と思ってやっています」
今シーズンのキャンプはB班でスタートした。今年から就任した西口文也二軍監督から、キャンプ中に声をかけられた。
「やはり三振を取れる球種があったほうがいい。キャッチボールのときから、ゆっくりでもいいので、フォークボールに取り組んでみないか」
以前までの本田はストレートを主体に、カーブやチェンジアップといった球速差のある変化球で打者を打ち取るのが持ち味の投手だった。
実際、今シーズンのキャンプ直前には、「自分はやはり緩急で勝負していきたい」と語っていた。しかしキャンプ中の西口監督の言葉をきっかけに、もう一度、自身のピッチングを見直すことになった。