観客の声出しが制限されていることを承知の上での挑発だ。そこには6年前に日本語でしゃべった初々しい言葉や丁寧さはない。そのギャップを見てみよう。

「大阪、オレの言うことを聞いてください。新日本プロレスファンズ、2015と2016、どうもありがとうございました。新日本プロレスファンズ！　私のこれからも、よろしくお願いします。また帰って来ます。なぜなら、この新日本プロレスリングは、オレの家だ。そして、新日本プロレスと新日本プロレスファンズ、あなたは私の家族です。ありがとうございました。またね」

　時と環境は人を変える。6年間でジェイはたくましく、ふてぶてしいプロレスラーになっていた。

缶ビールで祝杯をあげるバレットクラブ。もはやこの光景もおなじみとなっている

「プロレス界はオレを中心に回っている」

「今日は2022年6月12日。6年経って、オレは、“SWITCH BLADE”ジェイ・ホワイトは、プロレス界で最も価値のあるレスラーになった。たった一人でマディソン・スクエア・ガーデンをソールドアウトにした『Last Rock ‘n’ Rolla』だ。（シカゴの）ユナイテッド・センターもそうだ」

　ユナイテッド・センターでは、6月26日にAEWと新日本プロレスの『Forbidden Door』と題したビッグマッチが開催されるが、チケットはあっという間に売り切れている。

「オレは史上初、そして唯一無二のグランドスラム・チャンピオンであり、真のベルトコレクター。そして、BULLET CLUBのリーダーだ。プロレス界はオレを中心に回っている。そして今日、IWGP世界ヘビー級チャンピオンになった。そう、世界は“SWITCH BLADE”と共に呼吸する運命なんだ。なぜなら時代は今もMY ERA、“SWITCH BLADE ERA”だからだ」

　ジェイは「オレはこのプロレス界に君臨するモンスターだ」と言い切った。ジェイが生き生きしている。天上天下唯我独尊を地で行く新王者の時代はいつまで続くのだろうか。

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