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「オカダは賞味期限切れだ」29歳の新IWGP王者ジェイ・ホワイトが見せつけた“6年間の進化”「オオサーカ、セイ・サムシング!」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/06/16 11:01
6月12日、大阪城ホールでオカダ・カズチカを粉砕したジェイ・ホワイト。29歳にして新日本プロレスのシングル王座グランドスラムを達成した
「セイ・サムシング!」とファンを煽ったジェイ
6月3日の日本武道館のリング上では、2人の間でこんなやり取りがあったという。
「『お前がバカじゃないのはわかっている。賞味期限切れなのは自分でも気づいているだろう? 次の試合でお前のベルトを奪い4勝1敗にしてやる』と言ったんだ。そしたらオカダはなんて言ったと思う? 『言っていることがわからないから、オレはバカなのかもしれない』だとさ。オカダはうまいこと言い返したつもりかもしれないけどな」
ジェイの演説は続いた。まるで5月1日の福岡PayPayドームの再現映像を見ているように、バレットクラブの面々を引き連れている。ジェイはオカダに続いて、前AEW世界王者アダム・ペイジの名を出した。
「ハングマン・アダム・ペイジ、用心することだな。大物を気取っているが、お前の友達が新団体(AEW)を設立しなければスターにはなれなかったんだ。お前はここ(新日本)ではスターになれなかった。オレとの勝敗を覚えているか? “SWITCH BLADE”(ジェイの異名)は2対0でお前に勝ち越している。お前は一度もオレに勝ったことはない」
ジェイはAEWをけん制するようにペイジを引き合いに出した。
「お前にオレからメッセージだ。お前はオカダと対戦したいと言っていたなぁ。それは可能だ。だが、お前はこの(IWGPの)ベルトを賭けてオカダと戦うことはできない。カウボーイ野郎め。オオサカ! ノーノー! オオサーカ、セイ・サムシング! ほら、声を出してみろよ。何か言えよ。オレに声援をくれないつもりか?」
ジェイは大阪城ホールに集った6068人のファンに向かって呼びかけた。
「話は2016年の6月19日まで遡る。この会場でオレはヤングライオンとして最後の試合をした。みんなにサヨナラを告げて『あなたはオレの家族だ』と言った。さあ、何か言ってみろ! 声に出してみろよ! お前たちにオレのファミリーだって言ってやったんだぞ、嬉しくないのか?」