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「オカダは賞味期限切れだ」29歳の新IWGP王者ジェイ・ホワイトが見せつけた“6年間の進化”「オオサーカ、セイ・サムシング!」
posted2022/06/16 11:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「オカダ、目を覚ました時、あまり自分自身を責めるんじゃないぞ。今日お前はやっと、オレの進化とお前が少しも成長していないという2つの事実を実感したんだ。明日からはようやくお前も生まれ変わらないといけないと思い始めるだろう。オレは成長したお前が、またオレの前に現れてくれるのを楽しみに待っているよ」
ジェイ・ホワイトはオカダ・カズチカに完勝して念願のIWGP世界ヘビー級王座のベルトを手にした。6月12日、大阪城ホール。ジェイは余裕たっぷりに自らの強さと影響力を誇示した。
29歳でグランドスラム達成「オレが最強だ」
試合はどちらかというと、淡々と進んだ。攻防はあったものの、終始ジェイのペースだからそう感じたのだろう。オカダがジェイにことごとく殺されていた。当たり前だが、互いに研究を重ねた上での試合だった。
レインメーカー(ラリアット)vsブレードランナー(顔面砕き)。結果はブレードランナーに軍配が上がった。29歳のジェイが新王者になり、34歳のオカダは5度目の防衛に失敗して王座から陥落した。
「IWGP USヘビー級、インターコンチネンタル、IWGPヘビー級、NEVER無差別級、そしてIWGP世界ヘビー級。これらのベルトを全部取った(グランドスラム)のはオレだけだ。まだ30歳にもなっていないのにこれだ。これでオレとレインメーカー、オカダの戦績は4勝1敗に更新された。オカダはファンから最強って呼ばれているんだろう? だが、オレは4回、あいつに勝った上でこのベルトを巻いている。 わかるか? オレが最強だということだ」
過去4回の対戦成績はジェイの3勝1敗。2018年7月14日の大田区総合体育館での『G1 CLIMAX』、2019年1月4日の東京ドームのノンタイトル戦、さらに2020年9月27日の神戸での『G1 CLIMAX』はジェイが勝っていた。オカダが勝ったのは2019年4月6日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでのIWGP王座戦だけだった。それなのに、日本ではMSGでのオカダの勝利だけがもてはやされている。それがジェイには不満だった。