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「YouTubeで福岡さんのプレーを…」ウイング歴1年でジャパン候補に! 元NZ代表が「独特なスキル」と褒める根塚洸雅の才能とは?
posted2022/06/09 06:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
JRLO
ラグビーリーグワンは埼玉パナソニックワイルドナイツの優勝で幕を閉じた。
リーグワンが終わればラグビーファンの視線は日本代表、サクラのジャージーへと向かう。何しろ、次のW杯、2023年フランス大会の開幕までもう1年半を切っている。6月18日と25日にはウルグアイ代表と2試合、7月2日と9日にはフランス代表と2試合、国内で4週連続のテストマッチが行われるのだ。
テストシリーズの焦点は、誰が来年のW杯を戦うのか?
そこに一躍、クローズアップされてきた名前がクボタスピアーズ船橋・東京ベイの根塚洸雅(ねづか・こうが)だ。
5月30日に行われたリーグワン初年度の年間表彰式で、根塚は初代新人賞とベストフィフティーンのWTB(ウイング)を受賞した。アワードに先立ち、5月9日に発表された日本代表候補63人の中にも根塚の名前はあった。
尋常じゃない根塚の「突破力」
根塚は昨年4月に法政大からスピアーズに入団。今季はチームのリーグ戦全14試合中10試合に出場し、4トライ。WTBとしてはトライ数が際だって多いわけではない。だが、デビュー戦となったトヨタヴェルブリッツ戦も含め、2度もプレイヤー・オブ・ザ・マッチを受賞している。つまり、WTBながら、根塚の魅力はトライにあるのではない。
象徴は、根塚が獲得したもうひとつの勲章「ベストラインブレーカー賞」だ。アタックでボールを持ち、ステップで、あるいはスピードで、相手防御ラインを突破した回数が最も多かったというタイトルだ。
リーグワンの公式集計でその回数は22回。2位はリコーブラックラムズ東京のSO/FBアイザック・ルーカスの18回、3位は埼玉パナソニックワイルドナイツのCTBディラン・ライリーで15回。シーズンの話題を席巻した東京サントリーサンゴリアスの現役オールブラックスFBダミアン・マッケンジーは13回で5位タイだった。
だがルーカスは12試合、ライリーは13試合、マッケンジーは12試合に出場しての数字だったのに対し、根塚は10試合と少ない中での数字だ。ディフェンス理論が高度に発達した現代ラグビーで、他のトップ選手のラインブレイクは1試合に1回程度なのに対し、根塚はその倍、1試合に2回強、相手ディフェンスを突破しているのだ。尋常じゃない。