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《独占インタビュー》ロッテ佐々木朗希20歳が語る“原点はモノマネ”「(小学生の頃から)ダルビッシュ選手も大谷選手もマネしてました」
posted2022/06/02 17:04
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Asami Enomoto
「ダルビッシュ選手も大谷選手もマネしていました」
じつは佐々木はずっと、ある”感覚”を追い求めてきた。それは彼が中学生のときに得た、こんな感覚なのだという。
「中学野球のときの軟球が、高校では硬球に変わるじゃないですか。だから岩手では高校野球に向けて、中3の夏の大会が終わるとKボール(表面がゴム製で軟球と同じ空洞の構造ながら、大きさや重さ、反発係数が硬球とほぼ同じボール)の大会が行われていました。その練習のとき、Kボールの大きさが自分の手に合っていることに気づいて……僕、手が大きいせいで小学校のときはC球に合わなかったし、中学のときはB球に合わなかった。それが自分に合うボールを握った途端、それまで130kmも出なかったまっすぐが、いきなり140kmを超えてきたんです。もともと悪かったコントロールも一気に安定して、それ以来、コントロールに苦しむことはありません。もう、嬉しくて……」
コップの水が溢れるが如く、中学生の佐々木が覚醒した根っこには“モノマネ”があった。フォームの研究をすることが好きだった佐々木は、小学生の頃からいろんな選手のピッチングフォームをマネしてきたのである。
「田中将大選手のことはずっと好きだったのでマネしていました。成長するにつれて体形が細くて背が高い感じになっていったので、ダルビッシュ有選手とか大谷翔平選手のフォームもマネしていましたね。もともと遊びで野球をやっているときから、こういう感覚で投げているんだろうなと考えながら野球選手のマネをするのは好きだったので、その延長です。プロ野球選手なら身体の使い方は正しいだろうし、マネをするのがうまくなる近道だと思ってやってきましたから、そうやって最終的に自分だけのフォームを確立することができたときは、これもすごく嬉しかったですね」