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《独占インタビュー》佐々木朗希20歳が明かす“あの完全試合の夜”「夕食は1人、テイクアウトの寿司でした」「ビデオで試合を見返した」
posted2022/06/02 17:03
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Asami Enomoto
発売中のNumber1052号『佐々木朗希 完全を超えろ』では、巻頭で佐々木朗希投手のインタビュー「ここからは僕にとっても未知の世界です」を掲載している。20歳にして完全試合を達成した令和の怪物は、想像を超える快挙と自身の成長、伸びしろをどう感じているのか? 誌面の一部を抜粋して紹介する(全2回の1回目/後編へ)。
「時間も遅かったし、寿司も好きなんで…」
完全試合という快挙を成し遂げた夜。
20歳の佐々木朗希は、テイクアウトで自室へ持ち帰った寿司を1人で食べていた。
「疲れたんで、魚を食べたかったんです。プロに入ってからは、疲れたときに魚を食べますね。ナマモノは疲れるんで本当は焼き魚系がよかったんですけど、時間も遅かったし、寿司も好きなんで……」
疲れを癒やすために寿司を頬張り、いつものようにその日の試合をビデオで見直す。いつしか佐々木は、画面の中の快挙に迫るピッチャーを客観的に見つめていた。
「後半になるにつれてカウントが悪くなったりすると、これ、大丈夫かな、ちゃんと抑えられるのかなって思いながら見ていました。ノースリーになったとき(7回、先頭の後藤駿太に対してストレートが3球続けて外れる)も、試合中は全然、気にならなかったのに、見ているほうの立場になるとイヤなものですね(笑)」
理想のボールは「吉田選手へのインコースのまっすぐ」
2022年4月10日、千葉。
バファローズを相手に28年ぶり、史上16人目の完全試合を成し遂げたのは、20歳になった”令和の怪物”だった。
この日、佐々木は立ち上がりから160km台のストレートを連発。初回に対峙した3番の吉田正尚をストレート、フォーク、フォークの3球勝負で三振に仕留めると、2回から5回までの12人、すべてを三振に斬って取る。13者連続奪三振はプロ野球新記録、1試合19奪三振はプロ野球タイ記録――佐々木が常々「試合を支配したい」と話していた通り、圧巻のピッチングだった。