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日本代表でも見たい「ゲームを変える堀江」“先発1試合”でリーグワンMVPに輝いた堀江翔太(36歳)の止まらない進化とは?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/06/01 11:01
埼玉ワイルドナイツの優勝に貢献した堀江翔太(36歳)。リーグワン初代MVPに選出された
そして、堀江は自チームであるワイルドナイツへの感謝を強調する。
「正直言って、僕は特別扱いしてもらっています。チーム全体のプログラムとは別のメニューでトレーニングすることを認めてもらっている。僕は佐藤さんのプログラムを信頼して、そうやることで再生してきたから希望していることだけど、だからといってOKするのはなかなかできることじゃない。ワイルドナイツというチームの懐の深さ、ロビーさんはじめスタッフの皆さんが理解してくれているおかげです」
自分の活躍を誰が支えてくれているのか。その誰かが支えてくれる環境を作ってくれているのは誰か。どれだけ多くの人が支えてくれているから今の自分があるのか。それが分かっているから堀江は「感謝しなければいけない人は本当にたくさんいる。名前を挙げれば長くなってキリがないです」とアワードのあいさつで言った。
表彰式後の囲み取材では、MVPに贈られる副賞100万円の使い道について聞かれ、笑って答えた。
「いつも先発の坂手が頑張っていいプレーをして、相手を疲れさせてくれるから、後半に出る僕もいいプレーができた。坂手を誘って、ちょっといいメシに行こうと思います」
「W杯はどんな選手でも目指したい場所」
6月。今度は日本代表が始動する。ウルグアイ、来年のW杯ホスト国であるフランスを迎えての4週連続のテストマッチ。秋には来年のW杯で対戦が決まっている、エディー・ジョーンズ率いるイングランドとトゥイッケナムで対戦するほか、再びフランスとアウェーで対戦することも決まった。ニュージーランド代表オールブラックスとホームでの対戦も噂される。
そこに、19年W杯を最後に代表活動から離れていた堀江が合流する。「スーパー特別枠です」と日本代表の藤井雄一郎ナショナルチームディレクターも認めている。本人が目指すといえる状態になれば、戻る場所はある。それも、数々のテストマッチを戦ってきた実績と、実際に魅せた今季のリーグワンでのパフォーマンスで勝ち取った特別枠だ。
「W杯は、どんな選手でも目指したい特別な場所。自分としては、出られるだけの状態を作る。あとは、ジェイミーが僕を必要と思ってくれるかどうか。選ばれたら、この前(19年日本大会)よりもいい結果を出すために、できることは全部やります」
やっぱり見たい。日本代表でも、ピッチに入るやいなやゲームの流れを変える堀江を。それが実現したとき、日本代表は過去に踏み入れたことのない景色を見るに違いないのだ。
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