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清宮幸太郎は通算27本塁打、「外れドラ1」村上宗隆119本、安田尚憲は… 明暗分かれた「高卒5年目スラッガー」今後どうなる? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/05/31 11:04

清宮幸太郎は通算27本塁打、「外れドラ1」村上宗隆119本、安田尚憲は… 明暗分かれた「高卒5年目スラッガー」今後どうなる?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2018年フレッシュオールスターの村上、安田、清宮。ここまでのキャリアで本塁打数に大きな差がついている

 村上宗隆が主に三塁手としてフル出場し、リーグ3位の36本塁打、96打点をマークをしたのだ。184三振は断トツの1位だが、高卒2年目、10代での最多本塁打、打点記録を更新し新人王を獲得した。

 清宮は前年と同じ7本塁打。そして安田は二軍では19本塁打したものの一軍出場なし。

 安田はこの時点で一軍で60打席。新人王資格が「前年までの一軍での打席数が60打席以内」であることから、井口監督は翌年、新人王をとらせるために安田を一軍に上げなかったのではないかとの見立てもあった。

2020年、一軍での出場機会が増えたが明暗くっきり

 果たして翌2020年、安田は正三塁手として規定打席に到達したが、本塁打は6本、54打点、打率.221(25位)に終わった。村上はこの年、初めて打率3割をマーク、OPSはリーグ1位となり、初めてベストナインに選ばれた。

 そして清宮はデビューから3年連続で7本塁打するものの打率は.190。この年、3人の明暗は、くっきりと分かれたと言えよう。

 2021年、村上は巨人の岡本和真と本塁打王を分け合い、打点王争いでも2位。リーグ優勝に貢献しMVPに輝き、デビュー4年目でリーグ最強打者へと成長した。

 清宮は栗山英樹監督の判断でシーズン終了まで二軍に留め置かれた。安田は三塁手として藤岡裕大と併用されたが、8本塁打55打点。勝負強さは見えたものの好不調の波が大きかった。

矢野監督に怒鳴られても動じない村上の胆力

 そして今年、50試合前後を消化した時点で、村上は15本塁打で巨人岡本と並び1位、43打点で1位、清宮はBIGBOSSこと新庄剛志監督に中軸に抜擢されリーグ7位タイの6本塁打だが、打点は14。ロッテの安田はまだ本塁打は出ていない。

 通算本塁打数は、安田が15本、清宮が27本、村上が119本、予想以上の大差となってしまった。

 村上宗隆を球場で見て痛感するのは「試合に完全に入り込んでいる」ことだ。三塁では1球ごとに守備位置を変え、何事か叫んでいる。走者が出れば石川雅規のような大先輩でも臆せずにマウンドに声をかけに行く。アピールプレーでは大きなアクションをする。昨年などは阪神の矢野耀大監督に怒鳴られたが、全く動じなかった。身体能力に加えて「集中力が半端ない」という印象だ。

 一方で清宮幸太郎は高校時代から、「どこか気の無いそぶり」をすることがある。イニング間のゴロ回しでも、そのような表情を見せる。現時点では少なくとも村上のような「若きチームリーダー」的な風格は感じられない。

【次ページ】 村上と清宮は交流戦2本塁打、詳細な内容は?

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