3人は「追いかけられる側」になりつつある

　安田は履正社時代から木製バットで打つなどプロを意識してきた。入団後は、清宮よりも村上をライバル視してきた印象だ。今春の沖縄、糸満の二次キャンプでは、森脇浩司ヘッドコーチの守備特訓を受けた。息が上がって「足、足！」と森脇コーチの鋭い声がかかると、安田は雄たけびを上げた。気合十分なのだが、最近は打席でも自信なさげな印象を受けることがある。

高校時代の清宮と安田。先んじた村上に追いつけるか　©Sports Graphic Number

　入団5年目、さらに若い「プロスペクト」が次々登場する中、もはや彼らは追いかけられる側になりつつある。

　この世代を「清宮世代」という人は今やいない。しかし20代半ばから突如覚醒する打者はたくさんいる。第2幕へ向けて、清宮、村上、安田の力関係はどう変わっていくのだろうか？

交流戦に入ってから村上はすでに2本塁打

　＜NPB第10週の成績　2022年5月23日～5月29日＞

　交流戦期間は、相手リーグとの対戦成績となる。

〇セ・リーグ
ヤクルト6試4勝2敗0分 率.667
DeNA6試3勝3敗0分 率.500
巨 人6試3勝3敗0分 率.500
阪 神6試3勝3敗0分 率.500
中 日6試3勝3敗0分 率.500
広 島6試1勝5敗0分 率.167

　リーグ対戦成績はセの17勝19敗、29日にパが6戦全勝し、逆転された。ヤクルトが唯一の勝ち越し。広島は5月26日から4連敗を喫した。

・個人打撃成績10傑 ※RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標
塩見泰隆（ヤ）28打7安3本7点1盗 率.250 RC5.69
村上宗隆（ヤ）22打6安2本3点1盗 率.273 RC5.56
丸佳浩（巨）20打6安1本3点2盗 率.300 RC5.37
牧秀悟（De）23打6安3本3点1盗 率.261 RC5.28
佐野恵太（De）24打6安3本6点 率.250 RC5.03
長岡秀樹（ヤ）22打9安7点 率.409 RC4.95
野間峻祥（広）26打11安2点 率.423 RC4.64
内山壮真（ヤ）9打5安1本1点 率.556 RC4.44
中野拓夢（神）23打8安5盗 率.348 RC4.35
ウォーカー（巨）22打7安3点1盗 率.318 RC4.35

　ヤクルト勢が好調。塩見は3本塁打2二塁打7打点。本塁打はヤクルト塩見、DeNA牧、佐野、巨人の岡本和真が3本でトップ。打点は岡本が10打点。岡本はこの週4安打だが、そのうち3本が本塁打だった。盗塁は阪神の中野が5でトップ。通算13盗塁、同僚、近本光司に3差をつけた。

・個人投手成績10傑 ※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
青柳晃洋（神）1登1勝8.2回 責0率0.00PR3.47
ウィルカーソン（神）1登1勝8回 責0率0.00PR3.20
大貫晋一（De）1登1勝7.1回 責0率0.00PR2.94
ガンケル（神）1登7回 責0率0.00PR2.80
大野雄大（中）1登1勝9回 責1率1.00PR2.61
西勇輝（神）1登1勝6回 責0率0.00PR2.40
高橋奎二（ヤ）1登1勝8回 責1率1.13PR2.20
石川雅規（ヤ）1登1敗5回 責0率0.00PR2.00
鈴木博志（中）1登5回 責0率0.00PR2.00
三上朋也（De）2登5回 責0率0.00PR2.00

　阪神先発陣が好調をキープしている。青柳は28日のロッテ戦で9回1死まで零封も失点し降板。ウィルカーソンは27日のロッテ戦で佐々木朗希と投げ合い勝利した。

　救援では巨人の大勢、DeNA山崎康晃、中日ライデル・マルティネスが2セーブ。DeNAエスコバー、中日の清水達也、阪神の湯浅京己、渡邉雄大、巨人の今村信貴が2ホールド。

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