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2m超の新星vs松岡修造の甥っ子、福岡&松島の後継者バトル…ラグビーリーグワン初代王者を決めるプレーオフで注目の代表候補対決 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/05/16 11:00

2m超の新星vs松岡修造の甥っ子、福岡&松島の後継者バトル…ラグビーリーグワン初代王者を決めるプレーオフで注目の代表候補対決<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

東芝ブレイブルーパスのプレーオフ進出に貢献したLOワーナー・ディアンズ

 準決勝第2試合(秩父宮)ではリーグ2位ワイルドナイツと同3位スピアーズの対決だ。

 こちらも多くのポジションでスリリングなマッチアップが見られそうだが、当欄のオススメは日本代表候補に初選出されたWTB同士の対決だ。

 ワイルドナイツの竹山晃暉(25歳)は2019年度に加入。トップリーグ1年目のシーズンはコロナ禍で打ち切られたが、2年目の昨季は特例ながらリーグ新人賞を獲得している。

 対するスピアーズからは、今シーズンの新人賞最有力候補の根塚洸雅(23歳)を挙げたい。すでにリーグワン元年「最多ラインブレイカー」のタイトル獲得が決まっている魅惑のランナーだ。

 ともにWTBというポジションながら、プレーの持ち味は微妙に異なる。

 竹山の武器は情報収集力だ。ボールの動き、味方の動き、相手の陣形、表情……あらゆる情報を瞬時に入手・処理し、次の場面を予測して最適解を導き出し、軽やかに最適な位置に自分の体を移動させる。だから、本当はとても高度で難度の高いトライを、さも簡単そうに、笑顔まで浮かべたダイビングで取ってしまうのだ。トライフィニッシャーというよりもマジシャンと呼びたくなる。

個人タイトルを獲得した23歳根塚洸雅

 一方の根塚は「最多ラインブレイカー」を受賞したように、ボールを持って相手DFと勝負し、抜き去る力が最大の武器だ。相手と接近して、タックルへ動かせてからステップを切って猛加速し、狭いスペースを抜き去る様はエキサイティング。リーグ戦のトライ数は竹山の10に対して4と少ないが、フラットな状態からチャンスメークする力、決定的な場面を作ってラストパスを出す力は負けていない。

 7日のリーグ戦最終節では直接対決が実現。66分に竹山がファンブルしたボールを追った根塚が同点に追いつくトライを、78分には相手パスをインターセプトした竹山がダメ押しのトライを決めている。試合はワイルドナイツが35-14で勝利したが、根塚は試合後「次の対戦に向けて学びのある試合でした」と前を見た。この競演がまた見られるのだ。

 WTBといえば、19年W杯ではすでに引退して医師を目指している福岡堅樹さんと、フランスのクレルモンに移籍した松島幸太朗(29歳)が2枚看板だった。今夏は松島も「ケガがなくても休ませなきゃと思っていた」(藤井ND)と、テストシリーズを欠場する見込みで、次世代フィニッシャーの出現は待望されている。

 とはいえ、このポジションにはライバルも多い。特に19年W杯メンバーで、サイズ&パワーのあるアタアタ・モエアキオラ(26歳)、トライスコアリング能力では7季ぶりにトライ王に輝いた山下楽平(30歳)という神戸スティーラーズの2人は楽しみな存在だ。

 もちろん、他のポジションでも注目の代表候補は目白押し。負傷者などが出た場合は63人のリスト外からの追加招集もありえる。

 リーグワン初代チャンピオンを目指す戦いは、この夏のテストマッチシリーズ、そして来年に迫ったW杯を戦う日本代表の座をかけた争いでもある。一瞬も見逃せないはずだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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