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佐々木朗希が明かす18歳松川虎生への信頼「松川は凄いです。なんか吸い込まれる感じがする」“完全試合”の前夜に2人で話していたこと
posted2022/04/30 11:05
text by
千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph by
Chiba Lotte Marines
2022年4月10日は伝説の一日となった。マリーンズ佐々木朗希投手がバファローズ相手に完全試合を達成した。
令和の怪物と呼ばれる若者の異次元の投球はもちろんだが、忘れてはいけないのがバッテリーを組んだルーキー松川虎生捕手(市立和歌山高校出身)の存在だ。18歳の完全試合捕手は日本プロ野球史上初。今後も語り継がれるであろう出来事となった。
「ノーヒットは試合の中盤ぐらいから、あるかなと思っていましたけど、完全試合は正直、意識をしていませんでした。自分も9回制の試合では完全試合もノーヒットノーランも初めての経験でした」
偉業の一翼を担った松川は試合後、特別に興奮した表情を見せることもなく笑顔を見せながらも冷静に振り返った。
完全試合の前日に2人で話していたこと
試合前日の4月9日。2人は夕食を共にしている。たわいもない話もあったが、その場でみっちりと打ち合わせを重ね、当日を迎えていた。
「食事をしていた時はさすがにそんなことが起きるとは思ってもいなかった」と松川はその時を振り返り、笑う。黄金バッテリーはZOZOマリンスタジアムでのロッカーが隣ということもあり、ここまで様々な状況で話し合いを行うことでお互いの考え方、狙いを共有するようになっていた。
「ボクがどういう考えをもっているか。一通りは話をしてきたつもり。その考えを理解してた上でサインを出してくれている」と佐々木も言う。
特に入念に意見を交えるのは、打たれた場面などの反省点。なぜ打たれたか、どうすべきだったか、配球をどう思ったか。結論が出るまで徹底的に話し合い、次に生かしている。そして試合中も含めて必ず行っているのがイニングの初球を決めておくことだ。
「イニング途中は様々なシチュエーションが起こりうるけど、イニング最初の打者は決まっていること。だから、初球の入り方はベンチで決めてしまっている。その方がリズムよく入れる。初球から首を振るようなことがないようにしてポンポンと入る」(佐々木)