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102球8回降板に賛否…なぜ佐々木朗希20歳は“完全試合目前”でマウンドを降りたのか? 関係者が語る「3年前の登板回避は無駄ではなかった」

posted2022/04/30 17:05

 
102球8回降板に賛否…なぜ佐々木朗希20歳は“完全試合目前”でマウンドを降りたのか? 関係者が語る「3年前の登板回避は無駄ではなかった」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2試合連続の完全試合達成まで残り僅かに迫った102球8回で降板した佐々木朗希

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島沢優子

島沢優子Yuko Shimazawa

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 千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が4月24日、オリックス戦に先発登板。3勝目を挙げたものの、無安打無失点記録は「17」で止まった。

 完全試合は105球で勝ち切ったが、今季先発4試合目(対日ハム)では、2試合連続の大記録達成まで残り僅かに迫った102球8回で降板した。これに対し、野球解説者の岩本勉氏は「なんで皆んなは怪我をする前提でコメントするん? そんなヤワなピッチャーちゃうやろ!? 都合の良いときだけ『怪物』言うのやめようぜ!」とツイート(ママ)。ネットではロッテベンチの決断に好意的な意見がある一方で、「完全試合目前なのに降ろすな!」「過保護の子どものよう」といった声が上がった。

 賛否あるなか、異次元の投球を披露する佐々木は常に100球前後でマウンドを降りている。それはなぜか。複数の関係者への取材を通して、その理由を探った。

「3年前の登板回避が無駄ではないと分かってもらえるはず」

「ここまで成長してくれて本当に良かった」

 そう言って喜ぶのは、山梨県立甲府西高校野球部長の柏木洋和さんだ。佐々木を大船渡高校時代に指導した国保陽平の筑波大野球部時代の先輩である。完全試合を達成した後、国保さんに祝福の電話をかけた。

「国保君も喜んでいた。報われた気持ちだったと思う。これで3年前の登板回避が無駄ではない、意味があったと皆さんにわかってもらえると思う」

 2019年7月25日に行われた全国高等学校野球選手権岩手大会決勝大船渡対花巻東戦。当時監督だった国保さんは、準決勝の疲労が残る佐々木を登板させなかった。2日間で大船渡高校に250件を超える電話が殺到する騒ぎになったが、無理をさせなかった国保さんのサポートがあったからこそ、今季の活躍がある。

 にもかかわらず、今度はロッテによる佐々木のケアが「過保護」だと批判されているという。これに対し、柏木さんはこう反論する。

ロッテは過保護なのか?「あまり理解されていません」

「そもそも、今の高校生やルーキーたちは20年、30年前の選手より、球速が(平均で)およそ30キロ上回っています。体格も向上し、急速に浸透した科学トレーニングを導入したことが影響しています。しかも、彼らは何球かに一度150キロ以上を出すのではなく、常時その球速で投げられます。だから、高速ピッチャーはたくさん投げたら即壊れる。それなのに、そのことはあまり理解されていません」

【次ページ】 「できれば万全の状態でメジャーに行かせたい」

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