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佐々木朗希17歳《高校野球で賛否の登板回避》から3年… 令和の怪物は「投手の球数」固定観念を壊すシンボルなのか 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/04/19 11:05

佐々木朗希17歳《高校野球で賛否の登板回避》から3年… 令和の怪物は「投手の球数」固定観念を壊すシンボルなのか<Number Web> photograph by Asami Enomoto

大船渡高校3年時、岩手県大会準決勝で登板した当時17歳の佐々木朗希

 19日には“球数制限を解除する”という報道もあったが――1世紀半もの間に凝り固まっていた日本野球の固定観念の壁を、佐々木朗希という稀有の大投手が「100マイルの剛速球」で壊しつつある。

 2022年4月の佐々木の快投は、そういう意味でも「歴史的」だと言えるのだろう。

NPB第4週の成績 2022年4月11日~4月17日

〇セ・リーグ
中日5試4勝1敗0分 率.800
ヤクルト5試3勝2敗0分 率.600
巨人5試3勝2敗0分 率.600
広島4試2勝2敗0分 率.500
阪神6試2勝4敗0分 率.333
DeNA5試1勝4敗0分 率.200

 阪神はこの週2勝し、ようやく3勝目。中日が打線好調だった。

・個人打撃成績10傑 ※RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標
ソト(De)21打10安2本6点 率.476 RC6.62
吉川尚輝(巨)17打9安1点 率.529 RC5.19
宮崎敏郎(De)17打6安1本2点 率.353 RC5.07
大島洋平(中)21打9安1点 率.429 RC5.04
菊池涼介(広)16打9安4点 率.563 RC4.72
佐野恵太(De)21打9安3点 率.429 RC4.65
石川昂弥(中)20打8安3点 率.400 RC4.4
村上宗隆(ヤ)19打7安2点 率.368 RC3.52
阿部寿樹(中)21打7安1本5点 率.333 RC3.43
佐藤輝明(神)22打5安2本3点 率.227 RC3.23

 4月12日に一軍登録されたDeNAソトが、いきなりリーグトップの2本塁打6打点の大活躍を見せた。中日では首位打者の大島洋平が依然好調で、新鋭の石川昂弥も打率4割だった。阪神の佐藤輝明はリーグトップタイの2本塁打。盗塁は阪神の中野拓夢、近本光司、ヤクルト塩見泰隆が「2」でトップだった。

・個人投手成績10傑 ※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
上茶谷大河(De)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.88
西勇輝(神)1登7回 責0率0.00 PR2.24
勝野昌慶(中)1登7回 責0率0.00 PR2.24
柳裕也(中)1登1勝9回 責1率1.00 PR1.88
青柳晃洋(神)1登1勝8回 責1率1.13 PR1.56
小川一平(神)1登4.2回 責0率0.00 PR1.49
木澤尚文(ヤ)2登4回 責0率0.00 PR1.28
田中健二朗(De)3登4回 責0率0.00 PR1.28
九里亜蓮(広)1登7回 責1率1.29PR1.24
大野雄大(中)1登7回 責1率1.29PR1.24

 DeNAの上茶谷は4月16日のヤクルト戦で完封勝利。わずか91球、いわゆる「マダックス」は今季初の出来事である。中日は勝野、柳、大野と先発投手陣が好調だ。阪神の小川は13日の中日戦でコロナ陽性が判明した伊藤将に代わって急遽先発し、4.2回を無失点と奮闘した。救援では阪神の岩崎優と巨人・大勢が2セーブ。ヤクルトの石山泰稚、中日ロドリゲス、阪神アルカンタラ、巨人今村信貴が2ホールドを挙げた。

【次ページ】 佐々木朗希と名勝負を演じた上沢の好投も称えたい

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