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「トミの貢献度は極めて高かっただけに」アーセナルも悩む“冨安健洋23歳のケガ再発問題” 離脱が長引く5つの要因

posted2022/04/13 11:02

 
「トミの貢献度は極めて高かっただけに」アーセナルも悩む“冨安健洋23歳のケガ再発問題” 離脱が長引く5つの要因<Number Web> photograph by Getty Images

アーセナル移籍後、高いクオリティを見せていた冨安健洋。ただ後半戦は負傷が続き、その雄姿をピッチで見せられていない

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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 アーセナルの冨安健洋の実戦復帰が、またしても先送りになった。

 23歳の日本代表が戦線離脱したのは、年末年始の過密スケジュールが始まった昨年12月18日のリーズ戦。右ふくらはぎを痛め、後半19分にピッチを後にした。ここから新型コロナウイルス陽性判定も加わった13日間の離脱期間を経て、1月1日のマンチェスター・C戦で復帰するも、試合で右ふくらはぎのケガを再発した。この「強行出場→故障再発」を1月だけで2度も繰り返した。

 2月になってようやく復帰の道が見えたが、今度は練習で反対の左ふくらはぎを負傷。今もリハビリを続けており、チームの全体練習にはまだ参加していない。実戦復帰は、最短で4月20日のチェルシー戦となる見通しだ。

9月頃「足を引きずるように歩いていた」

 予想よりケガが大幅に長引いていることに関し、筆者は9月のデビュー戦から「おや?」と思うことがあった。9月11日に行われたノリッジ戦の取材ノートをめくると、「試合後、冨安が足を引きずるようにして歩く」と記してある。この「足を引きずる仕草」は、12月に戦線離脱するまで毎試合後、繰り返し見られた。

 足に慢性的な痛みを抱えていたのか、あるいは当たりの激しいプレミアリーグで毎回消耗していたのか。新型コロナウイルスの感染拡大で本人への取材が許されず、真相は確かめられないが、アーセナル加入時から足に何かしらのトラブルを抱えていたことは間違いないだろう。

 それでもアーセナルで毎回先発している上に、日本代表の10月&11月シリーズにもフル参戦していたことから、この時は筆者も「大きな問題ではないだろう」と踏んでいた。

マンC戦でハイクオリティなプレーを見せたのだが

 ところが、である。冨安は12月18日のリーズ戦で右ふくらはぎ痛を訴え、後半で途中交代した。ここから歯車が狂い始めた。

 13日間の療養期間を経て、復帰が決まったのは大一番のマンチェスター・C戦(1月1日)だった。試合は1-2で惜しくも逆転負けしたが、イングランド代表FWラヒーム・スターリングを完璧に封じるなど、冨安は圧巻のパフォーマンスで先発フル出場を果たした。

 しかし、今シーズンの中で最もつらそうな様子で試合後に足を引きずっていたのがこのマンチェスター・C戦だった。かなり無理をしていたのは明らかで、「大丈夫なのか」と小さくない不安を覚えた。

 嫌な予感は当たり、冨安はふくらはぎ痛で再び離脱する。

【次ページ】 同じ箇所の負傷が続き、指揮官も復帰に慎重な姿勢に

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