試合前、渋野はこんなことを話していた。

「去年はすごくスイングのことを考えながらやっていたと思いますし、一昨年はマネジメントとか考えずに“イケイケゴーゴー”だったので。いまは“イケイケゴーゴー”もちょっとありつつ、マネジメントも考えつつ……ちょっと大人になったのかな」

　ここ2年で取り組んできた経験と努力の積み重ねが、ようやく噛み合ってきた。

　今後の大会の成績次第だが、今回の結果を受けて、渋野が今季の目標に掲げる「来季のシード権獲得」に大きく前進したことは間違いない。

「まだ試合数はありますからね。荷が下りた感じはないけど、ちょっとした安堵はあります」

　最終日のホールアウト後には、待ち受けるファンの一人一人に丁寧に接する渋野の姿があった。あるファンにはサインをしながら「先週も見にきてくれましたよね、ありがとうございます！」とお礼を言い、子どもたちとスマホで写真を撮りながら「カワイイね！ありがとうね」と時間の許すかぎり声をかけている。プレーの進化は感じ取れるが、明るい温かなキャラクターは以前と変わらないままだった。

ホールアウト後はファンや子どもたちと触れ合った　©︎Shizuka Minami

　1972年始まり、83年からメジャーに昇格して以来、毎年ミッションヒルズCCでの開催されてきたメジャー大会も今季で見納め。50年間にも及んだ歴史の幕は閉じるが、渋野日向子の挑戦は続いていく。

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