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渋野日向子23歳「一昨年は“イケイケゴーゴー”だったので。ちょっと大人になったかな」難コースで見せた“成長の証”とは?
posted2022/04/05 17:03
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
3月31日~4月3日、米女子ツアー今季メジャー初戦となる「シェブロン選手権」がミッションヒルズCC(カリフォルニア州)で行われた。今季から新しい冠スポンサーを迎えて行われた同大会だが、舞台は変わらずダイナ・ショアトーナメントコース。長い距離はさることながら、狭いフェアウェイ、密集した深いラフ、速いグリーンが設定される、まさにメジャーに相応しい難コースだ。
渋野日向子が前身の「ANAインスピレーション」に初めて出場したのは、2020年のこと。結果は51位。試合後には「ここでは戦えないと思いました」と振り返り、当時の立ち位置を思い知った場所でもある。
「ここのラフやグリーンは、すごく難易度が高いので、総合的にレベルが高い人じゃないと勝てないんだなって」
昨年も予選落ちと振るわず。だが、3度目となる今季は、スタート前から期待感が広がっていた。
「アドってた!」2日目では単独首位に
「練習ラウンドで、ラフからのアプローチショットをしていると『去年これ打ててなかったよな』とか、『こういうのとか寄るイメージ出なかったよな』というのが、打てたりして。そういうのを肌で感じると、試合も楽しみだなと。ただ、まあたぶん試合になったら緊張するだろうし、(練習の時と)同じ芝ではないので(笑)」
自虐的に締めくくっていたものの、その予感は現実のものになる。
初日は序盤からイーグルを決めて上位に顔を出すと、2日目はこの日のベストスコアとなる「66」をマーク。予選ラウンドを終えた時点で、後続と1打差の単独首位に躍り出た。昨シーズン、アメリカ遠征などで取り組んできたショットの練習の成果がしっかりと数字として現れた。
予選ラウンド後の会見では「アドってた!」と渋野節も炸裂した。アドレナリンが出て、予想以上に飛距離が出たという意味である。ただ、もしそうなら“距離の計算”が変わり、コースマネジメントに狂いが生じてもおかしくはない。
「(ティーオフは)朝早かったので、回りながら、自分の体の感じを理解して、話し合いながらやっている感じ。めちゃくちゃ飛びすぎたっていうのはあるんですけど、ちゃんとパーオンできている分、大きなミスはなかったです」
予選ラウンドのフェアウェイキープ率は78.5%。たとえ飛びすぎても、フェアウェイをしっかり捉えていれば、次打を短いクラブで打てる。「まだ2日目が終わったばかりですが」と前置きしつつも、「(ショットを)これだけ振れるようになって、マネジメントもバカなりになんとかやって、パッティングもそれなりに距離感を合わせられるようになって、ラフも腕力で出せました」と、自身の成長に手応えを感じていた。
さらに渋野は続ける。
「今日も(7番のラフから)1個良いアプローチがあって、ああいうのは一昨年も去年も出来てなかった。そうやって一つずついろんなことを覚えて、経験してきたからこそ、こうやってスコアが出たと思います」