花巻東のスラッガーを旗頭とした「2年生ビッグ4」のバッターたちは、甲子園で未熟さを突きつけられた。

“広陵のボンズ”は外角攻めに脆さを露呈…

「自分には、まだ対応力がない」

　広陵の4番・真鍋慧も、初舞台の甲子園で現時点の力量を確認した。

　189センチ、91キロ。150キロを超えるとも言われるスイングスピードと打球の飛距離から、中居哲之監督から「ボンズ」と命名されたチームの主砲。しかし甲子園では、名の由来となったメジャーリーグ歴代最多の通算ホームラン記録を持つ、バリー・ボンズを彷彿とさせる豪打は鳴りを潜めた。

“広陵のボンズ”真鍋慧。初戦で猛打賞を記録するも… ©Sankei Shimbun

　敦賀気比との初戦では3安打1打点と結果を残し、「チームで取り組んでいる逆方向へのバッティングができた」と一定の手応えは見せていた。ところが、続く九州国際大付戦では脆さを露呈してしまう。

　相手バッテリーの執拗なまでの外角攻め。ストレートに遅い変化球を効果的に織り交ぜられ、単打1本に終わった。

「外の出し入れだったり、緩い変化球で少しバッティングを崩されてしまいました。すごく悔しいですし、夏までには克服したいです」

逸材を封じた“3年世代の意地”

　敵からすれば、してやったりだ。「広陵のボンズ」を幻惑した九州国際大付のエース・香西一希は、自信を言葉で示した。

「長打を打たれないように、『単打ならいい』くらいの気持ちでした。真鍋君は雰囲気のあるバッターでしたけど、上級生としてしっかり抑えたいと。1本打たれましたけど、抑えられたと思っています」

　2年生「ビッグ4」のバッターたちにとって「全国の壁」とは、3年生の経験に裏打ちされたパフォーマンス。そして、意地だった。

　この九州国際大付と初戦で対戦したクラーク国際の主戦・辻田旭輝は、その気概で「ビッグ4」と対峙したピッチャーだった。

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