都内の野球場を行き倒しているスーパー草野球人の金言。ちなみに最も注意すべきグラウンドは「江戸川区にある篠崎公園野球場のAとB。同じ公園内で隣接しているように思うかもしれませんが、1キロくらい離れた別の場所にあるんです！」とのこと。同好の士よ、くれぐれも気をつけるように。

　さて、そんな山下さんだが、実は近年、助っ人業の試合が減っているという。その理由は何か？

「個人的感覚なのですが、助っ人業を始めた2013年頃に比べ、年々、助っ人募集が減っている印象なんですよ。だから、うまくスケジュールが組めなくなって」

　理由は謎だが、山下さんはこう推察している。

「ネットでの助っ人募集は面識のない人に頼むからか、ドタキャンや遅刻の率が高い。それであまりネットで募集しなくなったのかな、と。また、助っ人業で活動している選手はそれなりにいるのですが、同じチームの試合に何回か参加するうち勧誘されて加入するケースが増えているように感じます。チームにとっては助っ人を探す状態にならないのが一番ですからね。そうやってネット募集の助っ人需要が減っているのかもしれません」

　そんなわけで、実は山下さんも少し前から所属チームを増やす方向にシフト。試合数の維持が一番の理由だが、助っ人業での体験も影響している。

愛用の自転車で都心のグラウンドを行き来する山下さん。助っ人業で顔も広くなり、この日も隣のグラウンドの顔見知りと挨拶を交わしていた

ポジションはお任せします

「助っ人業の試合では、やりたいポジションを言いにくいんです。それぞれのチーム事情や方針がありますから。『希望ポジション以外なら参加しない』というタイプの助っ人業の選手もいるようですが、まあ好かれてはいないですね（笑）。私は希望を尋ねられたら答えますが、基本的には『お任せします』というスタンス。それだと、自分の場合、ポジションが限られるんです」

　山下さんは左投左打。左利きの選手は一般的に投手、一塁、外野を守る。本格的な野球経験のない山下さんは、足に自信があるということで外野を守ることがほとんどだった。だが、プレーが上達するにつれ、さらに野球が楽しくなり他のポジションにも挑戦したくなった。

「野球をするなら、やはり一度はピッチャーをやってみたい。だけど、助っ人だと『ピッチャーをやらせてください』とは言いにくい。聞かれたら『投げようと思えば投げられますよ』と言うのが精一杯」

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