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7つ上の“年の差婚”「今は彼のほうが大人」アスリート夫婦・野口啓代(32)が明かす新婚生活、野菜が苦手な夫のために栄養学を勉強中 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byAkiyo Noguchi

posted2022/04/03 11:02

7つ上の“年の差婚”「今は彼のほうが大人」アスリート夫婦・野口啓代(32)が明かす新婚生活、野菜が苦手な夫のために栄養学を勉強中<Number Web> photograph by Akiyo Noguchi

昨年の12月25日に入籍を発表した、スポーツクライミング東京五輪日本代表の楢崎智亜と野口啓代

 イベント出演のため留守にすることも多く、「現役時代よりも一緒にいる時間が少ないかも」というが、時間を見つけては練習をサポートしたり、撮影の手伝いなども行う。冗談半分に「いいように雑用させられてますね」と笑うが、楢崎が本番の舞台で一番良い状態で臨めるよう、サポートを惜しまない。

「偏食で食べられないものが多く、筋肉がつきやすいので大会前は減量をしないといけない体質。炎症体質でもあり、年齢的にもバランスよく食べないと回復も追いつかなくなる」という楢崎の食生活も一から見直した。

「コロナ禍の期間に分子栄養学を学んだのですが、そこで習った『かぼちゃのパスタ』を彼が好きで、大会前に作ることが多いですね。あとはグルテンフリー、カゼインフリーの料理を作ったり、野菜が苦手なのでコールドプレスにして摂取するようにしています。酵素が2日間しか持たないので、割と頻繁に作らないといけないのが何気にストレスですけど(笑)。でも、食生活を見直してから体の回復具合やパフォーマンスもすごく上がって。あらためて彼にとっては食事が肝になっているんだなと夫婦で自覚しました」

 夫婦の視線の先にあるのは、2年後に行われるパリ五輪。楢崎が東京では届かなかったメダルに、表彰台の一番高いところへと夫婦二人三脚で向かっていく。

引退後も「目標とされる存在に」

 もちろん、野口さん自身も1人の人間として、また新たなチャレンジをスタートさせている。

「スポーツクライミングは東京で初めてオリンピック種目に採用されて、この業界でオリンピックを経て引退した人が、日本にはまだ私しかいません。東京でメダルを獲得して引退した私がセカンドキャリアでこんなことが出来るんだっていうことを示せれば、今、クライミングでオリンピックに出場したいと頑張っている子どもたちにも夢を与えられるんじゃないかなって思うんです。だから引退後も、子どもたちから目標にされるような存在であり続けたいですね」

 引退後も彼女のクライミング愛は決して冷めることはない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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