オリンピックへの道BACK NUMBER
「平穏に暮らしたい…」ウクライナの柔道家ビロディド21歳の日本愛と素顔「アイドルは谷亮子」「名門キエフ大学でジャーナリズム学士を取得」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2022/03/18 11:04
東京五輪では銅メダルを獲得し、アスリートとしてウクライナの現状を発信し続けているダリア・ビロディド
もう1つの顔「名門キエフ大学でジャーナリズム学士を取得」
柔道家であるビロディドにはもう1つの顔がある。将来、スポーツジャーナリストになるという夢があるのだ。そのためウクライナで名門に数えられる国立のキエフ大学のジャーナリズム学部に進み、学士を取得している。ジャーナリストを志向しジャーナリズムを学んだことが数々のメッセージの素地であるかもしれない。
侵攻がやむことがない中、ビロディドは3月15日、青い柔道着姿の写真とともに、スペインのバレンシアに避難したことを報告した。避難先となったバレンシアの柔道クラブをはじめ携わってくれた柔道界の人々に感謝を捧げるとともに、こう記している。
「私は柔道ファミリーの1人でいられることを幸せに思います」
同時に、反戦の訴えも行なった。
東京五輪では銅メダルに終わり、目指していた世界一には届かなかった。その後、ただちにパリ五輪での金メダルを誓い、再始動した。その道筋は思いがけず、中断している。
でもそれ以上に数々の訴えには、周囲に及ぶ被害、その理不尽さを思う気持ちが込められている。
だから、柔道で培った実績、知名度も武器に、ビロディドは柔道家として、メッセージを発信し続ける。
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