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「平穏に暮らしたい…」ウクライナの柔道家ビロディド21歳の日本愛と素顔「アイドルは谷亮子」「名門キエフ大学でジャーナリズム学士を取得」
posted2022/03/18 11:04
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
ロシアによるウクライナへの侵攻が発生して日を重ね、今なお収束は見えない。その中で、多くの人々がSNSなどを通じて情報を伝え、意見を発信するなどしている。その中にはスポーツ関係の人たちもいる。
その1人が、キエフ在住の柔道家、ダリア・ビロディドだ。ロシアの侵攻が始まる直前には「紛争や恐怖が隣り合わせであることなく、平穏に暮らしたいです」と記していた。
2月24日にロシアの攻撃が始まると、銃声で目を覚ましたことを伝えるとともに、「最近までこんなことが起こると思ってもいませんでした。なぜ人々の生活を駄目にしてしまうのでしょうか」と、ロシア、ベラルーシに対しての抗議の意思を示した。
その後もしばしば状況を伝えつつ、一方的な侵攻への思いを発してきた。
ビロディドと日本の“深いかかわり”
その中には、「親愛なる日本のフォロワーの皆様へ」の書き出しから始まる日本へ向けたメッセージもあった。三菱自動車に20年勤めていたという友人が難民の避難所や食料を支援するチャリティー会社を経営していることを伝え、寄付を依頼する内容だった。三菱自動車のウクライナの販売会社のアンバサダーを務めていることもあってだろう。これに限らず、日本とかかわりの深い柔道家でもある。
6歳まで体操をしていたビロディドは、両親が柔道家であった影響を受け、柔道へと進んだ。特に父のゲンナジー・ビロディドは2005年世界選手権73kg級銅メダリストで、オリンピックにも3度出場した。また日本の選手が対戦したこともあり、2007年世界選手権では金丸雄介が勝利している。