審判だけが知っているBACK NUMBER
<私が裁いた名勝負>騒動から4年、ついに日本人が獲るのか。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
posted2022/03/11 07:00
横山恭爾さん
語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼しか知らない新たな景色が見えてくる。
2014年 ソチオリンピック
スノーボード 男子ハーフパイプ
2月11日/ロザ・フトル・エクストリーム・パーク
15歳の平野が1本目で唯一の90点台を叩き出して迎えた2本目、ポドラドチコフがヨーローフリップを決めトップに立つ。1本目でミスした技を成功させた平岡は2位につけたが、平野が高い完成度で魅せ、再び平岡を上回って銀メダル。ホワイトは4位にとどまり、平岡は銅に輝いた。
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本来であれば五輪のジャッジはソチの前、'10年のバンクーバーで卒業だと思っていました。というのも國母カズ(和宏)がいたからです。初採用された'98年の長野ではパイプの設営に関わり、その次からはジャッジを務めてきました。いつか日本人が表彰台に上がるのを見たいと思ってやってきて、カズなら絶対にメダルを獲ってくれるだろうと期待していたんです。