少なくとも強いチームのトップバッターは最低でも3割5分台以上の出塁率をマークし、攻撃の起点となっているということなのだ。

　実は巨人の1番問題の1つのポイントがこの出塁率の低さで、松原と共に1番候補として名前が挙がる吉川尚輝内野手も、昨年の出塁率は3割1分3厘と3割5分台には届かない。

亀井コーチは「あんたは天才」と評価

　松原は今季から亀井善行外野守備・走塁コーチが昨年までつけていた背番号9を受け継いだが、その亀井コーチからは「あんたは天才」と評価されたものの、同時に「もうちょっとだけ頭使っていけよ」とゲキを飛ばされてもいる。とにかく何でもかんでも振りにいくことで、出塁率が上がらない。

　だからこそ松原には「頭を使って」配球を読み、ボール球には手を出さない打者へと成長してほしいという課題が掲げられるのだ。バットコントロールもいい、足もある。それができればもっと安打数も増えるはずだし、四球も取れて出塁率はアップするはずである。

　しかも今季のチーム方針は「育成と勝利」だ。原監督も「同じ力なら若手を使う」と宣言する中で、松原がそれなりの成長の跡を見せさえすれば、1番の最有力候補として名前が挙がるはずなのだが……。オープン戦では相変わらずボール球に手を出すシーンが度々見られる。そしてそんな姿に業を煮やしたように、指揮官が試しだしたのが新たな1番候補の起用だった。

　不振に苦しんだ昨シーズン。それでも丸が残した出塁率は3割6分5厘とトップレベルで、チームが求める出塁率の高いトップバッターという要求にはきちっと嵌る選手である。

「トップバッターというのは華が必要」

　原監督が「1番・丸」を初めて試したのは、3月3日の西武戦。この試合で丸は、いきなり第1打席に左翼へ先頭打者アーチを放って存在感を示した。

「1番打者には長打を警戒されるような人を置きたい。長打のある選手には華がある。トップバッターというのは華が必要だと思うんだよね」

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