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レギュラー確定は坂本勇人と岡本和真だけ…巨人・原監督が「ウチの打線の課題」と語る「1番と5番」問題でカギは中田翔が握る?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/03/06 17:02
3月2日の西武戦で、今季オープン戦初ホームランを放った中田
「丸だって競争だね。外野のポジションはライトにポランコ、レフトにウォーカーが入ってセンターを丸と梶谷(隆幸外野手)と松原(聖弥外野手)が争う。何だったら丸が代打に回るくらいのチームを作りたい。丸とナカジ(中島宏之内野手)が代打に回る打線を作れたら、これは強いだろ」
この言葉から推察できるのはこういうことだ。
原監督が描く理想の「A案」とは?
理想論としては新外国人選手のグレゴリー・ポランコ外野手とアダム・ウォーカー外野手が機能して、それぞれが外野のポジションを奪ってくれることだ。ただ、もし2人のどちらか1人、あるいは2人とも機能しないケースには、ゼラス・ウィーラー内野手がバックアップとして入って、中田と共に2人の穴をカバーする。
原監督が描く理想の「A案」は「5番・ポランコ」で、中田の打順は「6番」だと分かる。ただ、中田というカードを手に入れたことで、「5番」の選択肢は確実に広がった。そしてもう1つ、中田の存在が「1番問題」にも少なからず影響を及ぼしていることも見逃せない。
中田の打順は「6番」を基本に「5番」という選択肢がある。そこで中田を「5番」に入れれば、「A案」では5番に予定されているポランコの打順にも「3番」という選択肢が生まれる。
そこで広がったのが、これまで「3番」を任されてきた丸を「1番」に使うという選択肢だった。
問題はなかなか改善しない松原の出塁率
もちろん前述した原監督のコメントからは、「1番」の理想像として頭にあるのは梶谷か松原であることは分かる。ただ昨オフにヘルニアの手術を受けた梶谷は、開幕には間に合わない可能性が高い。となると松原への期待が当然、高まることになるのだが、問題はなかなか改善しない松原の出塁率なのである。
昨年の松原の出塁率は3割3分3厘だった。
昨シーズンの上位チームの1番打者の出塁率を見るとヤクルトの塩見泰隆外野手は3割5分7厘、阪神・近本光司外野手が3割5分4厘でパリーグでもオリックスの福田周平外野手が3割5分4厘、ロッテの荻野貴司外野手は3割6分7厘と松原に比べると3分以上の高出塁率を残している。